研究課題/領域番号 |
22K02340
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
西丸 良一 慶應義塾大学, 教学マネジメント推進センター(三田), 助教 (70634476)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 大学入試 / 大卒就職 / 職業希望 |
研究実績の概要 |
本研究は大学入試と大卒就職の関連を検討するため、2023年度に大学生調査を予定しており、その準備を2022年度におこなった。改めて先行研究を検討したところ、やはり大学入試は高大接続の視点から検討されているものに終始している。また近年、大学生の雇用状況が改善したこともあり、大卒就職の検討自体も少なくなっている。こうしたことを踏まえれば、大学の「入口」と「出口」をつなぐ本研究の検討であらたな知見を示すことができれば、その波及効果は大きいことが予測できる。 また、先行研究の検討を通して、大学の「入口」と「出口」をつなぐだけでなく、在学中の学生の職業希望に対する大学入試の影響も検討しておく必要がありそうである。なぜなら、日本の教育選抜システムの特徴として、学力(を基準にした構造)によって本人の職業希望は規定されているからである。推薦入試が受験学力だけでなく、多様な要因を用いて選抜をおこなうのであれば、同じ大学への入学(同じ学校歴)だとしても、入試形態によって本人の職業希望に差が生じている可能性は十分にある。 さらに、先行研究の検討から改めて確認したこととして、大学生を対象とした調査データがほとんど存在しない。大学生の全国調査を計画しているようすはうかがえるが、そうしたデータが公開され、二次利用ができるようになるには、さらに時間を要すると思われる。そうした状況を踏まえれば、小規模にならざるを得ないが、2023年度におこなう全国データの作成は意義のあることといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に先行研究の検討が進み、実施する調査の質問項目をそろえることができた。また、在学時における大学生の職業期待に対する入試形態の影響を検討するあらたなテーマもみつかり、2023年度におこなう調査の準備は整っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後のポイントは調査によって一定のサンプルサイズを回収できるかである。調査は調査会社に依頼し、ネット調査で実施するが、調査会社への登録者として、大学生は少ない傾向にある。調査対象者とする学年を単年とせず、実施することでサンプルサイズを確保する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末(2月)に所属先が変更になったため、予定していた予算執行ができなかった。
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