研究課題/領域番号 |
22K02342
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研究機関 | 高田短期大学 |
研究代表者 |
寳來 敬章 高田短期大学, 子ども学科, 准教授 (80638114)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | チャータースクール / 公ー私の連携 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究成果は論文1件(下記①)、学会発表2件(下記②、③)である。 ①"Career and Vocational Education in Prison- a Case of California Charter School"本稿では下記③の発表内容に基づいて論文としたもので、チャータースクールでの具体的なキャリア教育実践と、そのための組織との連携しているのかについて論じている。州内に同様の実践が広がっている一方、矯正教育としての刑務作業とキャリア教育としての授業実践を区分することが難しいことや高等学校卒業資格の要件を満たすことが困難であることが課題である。 ②"Public-Private Partnership Between California Charter Schools and Industries -Focusing on Core Subjects and CTE Programs-"。本発表ではチャータースクールでの主要科目とコンピュータ関連の教育実践に着目し、民間企業や学校外組織との連携に基づく教育実践を検討している。外部から獲得した資源の具体的な活用に加え、キャリア教育などの教科外科目への活用から連携の重要性を議論した。 ③「刑務所内チャータースクールの教育実践」。本発表は刑務所内チャータースクールのキャリア教育の成果と課題を検討している。本発表で検討したチャータースクールは軽犯罪により収監された若者の地域社会への復帰や再犯を防ぐことなどを目的として設立され、「高等学校卒業要件を満たすことができること」を特徴としている。出所した者が継続的に地域社会に復帰(農業や工業、小売りなどの分野)することで、積極的に雇用をしようとする企業なども複数あり、刑務所内チャータースクールの成果は一定程度確認できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の研究では、主に特殊な状況にあるチャータースクールの実践に着目し成果の公表に努めた。本研究のテーマである公教育へのインパクトという点において、チャータースクールの特殊性や一般的な公立学校では実施が難しい教育実践を実証的に検討することができたと考えられる。その結果として論文執筆や学会発表等を通して成果を公表することができた。 ただ、本研究を進めるにはアメリカでのフィールドワークが必要不可欠となっている。本研究課題応募時の計画では、2023年度(研究機関2年目)に海外調査を実施する予定であったが、事情により実施できなかった。このような状況を勘案すると、当初の予定と比べると「やや遅れている」という評価が妥当であると考えられる。2023年度にフィールドワークは実施できなかったものの、調査対象として設定したカリフォルニア州ロサンゼルスおよびサンフランシスコのチャータースクールの関係者やチャータースクールを支援する各組織(California Charter School Associationなど)の関係者との情報交換は継続的に行っており、2024年度の海外調査実施に向けて取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで通り、各種資料収集および文献研究を進めながら、フィールドワークの準備も進める予定である。フィールドワーク(インタビュー調査と質問紙調査)はこれまで継続的に本研究の調査に協力していただいた複数のチャータースクール(ロサンゼルスとサンフランシスコ)や州・学区教育委員会、そしてチャータースクール支援組織を対象としている。限られた期間の中での調査となる可能性が高いものの、2024年度中に実施する予定である。また、可能な限り早急に調査で収集したデータの分析に取り掛かり、国内外の学会誌、学内紀要等への論文執筆や研究発表などを通して成果の公表に努める。また、最終年度である2025年度の研究の方向性についても視野に入れ、必要であれば事後調査の実施に関しても本年度に取り組む必要があると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は海外でのフィールドワークが実施できなかったことである。アメリカへの渡航費や滞在費、調査研究にかかる移動費等の諸経費として次年度に繰り越すこととなった。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、フィールドワークの実施と必要であれば事後調査の実施、また国際学会等での研究発表等を行うことで、研究成果の発表に努めるものとする。 本研究課題は4か年での採択をされており、2024年度が3か年目となる。フィールドワークの実施だけでなく、研究期間終盤に向け、関連する文献の購入や分析のための経費として使用する予定である。
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