研究課題/領域番号 |
22K02355
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
星野 洋美 常葉大学, 教育学部, 教授 (50267845)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多文化共生 / 外国につながりのある子ども / 市民協働プロジェクト / キャリア教育 / 将来設計 / 学校・保護者・地域の連携 |
研究実績の概要 |
①これまでの調査結果や先行研究をもとに研究課題を整理して、外国につながりのある児童生徒にどのようなキャリア教育を行うべきかを考えるとともに、保護者や教育支援を行っている方々への聞き取りの内容について検討を行った。(-4月) ②外国人児童生徒の保護者(抽出)に子どものキャリア形成に関わる課題についての質面接による聞き取り調査を実施した結果、経済的理由から将来設計を考えるまでに至っていないことや、教育の必要性について分かっているので今できる最大限のこと(日本の公立小中学校で学ぶこと)をしていることがわかった。また、教育支援を行っている方々からは、言語の問題とキャリアの問題の相互関係について言及があった。これらの調査については、4月以前に実施した子育てについての調査の結果を参考にして作成し、実施した(4-6月)。 ③先述の課題を踏まえて、「人間と家族を学ぶ家庭科ワークブック」(牧野,1996)を参考に課題解決に有効な教材を検討・開発した。その際、外国につながりのある子どもだけではなく、全ての子どものキャリア支援に有効な教材となるよう配慮した。また、家族で一緒に考えることも想定した教材であることから、やさしい日本語に加えて、英語、ポルトガル語、スペイン語、フィリピノ語の翻訳を掲載した。(7月-2月) ④教育関係者・保護者・地域住民(日本人住民と外国人住民)で構成する市民協働プロジェクトで、教材の活用方法を検討した。また、協働プロジェクトで、課題解決に有効なプログラムを考案し、その一環としての多文化共生講座を7回実施した。(7月-3月) ⑤プログラムの実践については日本学習社会学会(9月)で発表した。教材の立案と試行については日本家庭科教育学会R5大会の発表に採択されている(4月)。また、調査や試行的実践の結果は、紀要(2件)や報告書等(2件)に投稿した(10-3月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の計画で行いたいと思ったことがほぼできており、次年度への準備も調ったからである。具体的な内容については以下の通りである。 ・小中学校や自治体の方々の協力のおかげで、外国人児童生徒の保護者や教育支援を行っている方々に子どものキャリア形成に関わる課題についての聞き取りをスムーズに行うことができ、課題(経済的理由から将来設計を考えるまでに至っていないこと、言語の問題とキャリアの問題の相互関係がみられることなど)が明らかになったため、次の段階である教材作成にじっくりと取り組むことができた。また、教材の内容の他言語(ポルトガル語、スペイン語、英語、フィリピン語)への翻訳等についても、想定以上に早く進んだ。 ・教育関係者・保護者・地域住民(日本人住民と外国人住民)で構成する市民協働プロジェクトの皆様の多大なるご協力を得て、多文化共生意識と外国につながりのある子どものキャリア形成における課題の解決に有効なプログラムを考案し、試行的実践を行い、その成果と課題について明らかにすることができ、2つの学会にて研究発表をするに至った。また、紀要(2件)や報告書等(2件)にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
①計画案にある「市民協働プロジェクトメンバーにおいて、言語とアイデンティティに関する課題と、共生意識に関する課題の解決に有効なプログラムを作成する」については、前年度に試行的実践を行っているので、内容をより充実させ、汎用性を高めていく。具体的内容は以下の2点である。 ・共生意識に関する課題の解決に有効なプログラムについては、外国人住民の参加や子育て世代の方々の参加を促し、日本人住民と外国人住民の相互理解と相互支援が必然的にできる講座を実施する。 ・言語とアイデンティティに関する課題、つまりキャリア形成に関する課題の解決に有効なプログラムについては、小中学校において開発した子ども用の教材を使って、プログラムを実践する。 ②プログラムの評価に関する質問調査を作成・実施・集計・分析する。調査の実施は、それぞれのプログラム実施の前後とし、変化を見るために、SPSS(Version.26)を用いて分析を行う。 ③上記①②の経過をまとめ、中間報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:1月から開始したポルトガル語とスペイン語の翻訳に関して、修正が何度もあったため、翻訳完了が4月初頭までかかったことで、翻訳に係る謝金について、支払いが4月以降になるため。 使用計画:複数言語での調査及び教材作成のための翻訳に係る謝金(約4万円)については、5月末日をめどに支払いを行う予定である。
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