研究課題/領域番号 |
22K02357
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
小野 康子 桃山学院大学, 共通教育機構, 契約教員 (30712179)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 少数民族 / リス族 / 教育 / ライフヒストリー |
研究実績の概要 |
本研究では、タイ北部山岳地域出身の少数民族リス族でタイ語による教育を受けた成人(主に20代から30代)が学校教育をどのように捉えているかについて、ライフヒストリー手法を用い明らかにする。初年度に選定および信頼関係を構築した5名のインタビュー対象者に約3時間程度の聞き取り調査を実施した。対象者は、現在チェンマイ市内、またはチェンマイ県内にて在職中または学生である男性2名、女性3名、20代から30代の成人である。聞き取りのテーマを、1)幼少時から義務教育時における学校生活、成績、家庭生活、友達との関係等、2)現在にいたるまでの仕事や生活とし、対象者の自由な語りを録音した。その後、書き起こしを行い、インタビュー内容を当時のタイ国内外の社会事情や教育政策等と照らし合わせた分析・解釈に着手した。5人とも日常的にタイ語を使用しており、義務教育時までのタイ語習得に関しては、学習過程において難しさを感じたことを話題にした対象者がいる一方、その難易度に関しては多く触れない対象者もいた。 また、現地本調査においては、山岳地域少数民族の子どもの教育支援に関わるNGO、行政機関を訪問し、リス族を含む山岳地域出身の少数民族の子どもを取り巻く環境について情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本調査におけるインタビュー結果の詳細な分析およびライフヒストリーへの再構築の進捗が遅れ、本年度に予定していた国内外における本調査結果に関する学会での発表ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、これまでに収集した情報および文献調査結果を交え、本調査でのインタビュー内容を当時のタイ国内外の社会事情や教育政策等と照らし合わせながら分析・解釈し、ライフヒストリーへの再構築を行う。その上で、分析によって明らかとなった学校教育と人生の関わりの特徴を考慮し、現在の少数民族の子どもが母語や文化の重要性を再確認しながら、学校教育において学習成果を発現できるような教育支援の在り方を考察する。それらの考察をまとめ、国内外の国際開発、教育関連の学会にて中間成果として発表を行う。さらに、上記学会等の結果をもとに、非母語による教育の実態のとりまとめおよび効果的な教育支援の在りを再度考察し、国内ワークショップにて発表する。他の研究者との議論結果を反映させ、総合的な分析および論文執筆を行い、最終的に、国内外の開発、教育関連の学会で研究成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本調査にかかる結果分析等を含む本研究の中間成果を国内外の学会にて発表できず、学会参加に関する旅費および参加費として計上した予算を使用しなかったため次年度使用額が発生した。次年度では、国内外の学会での成果発表にかかる旅費および参加費、総合的な分析および論文執筆に向けた翻訳料等として当初より計上した予算を執行する予定である。
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