研究課題/領域番号 |
22K02377
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
駒 久美子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10612608)
|
研究分担者 |
島田 由紀子 國學院大學, 人間開発学部, 教授 (80369397)
茂木 一司 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (30145445)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 即興表現 / インクルーシブ / 表現教育 / 保育者養成課程 |
研究実績の概要 |
令和5年度はまず、実際に保育者養成課程において授業を担当する表現領域の担当者を対象として、インクルーシブな表現教育や即興表現がどのように捉えられているのか、保育者養成課程における表現教育の在り方を明らかにした。その結果、1)インクルーシブと即興表現には親和性があり、どちらもシラバスには直接的な記載はなく、授業の本質ほど言語化されにくいこと、2)学生の学習保障と保育の専門性を担保することと、表現に間違いがないことと豊かな即興を目指すことは表裏一体であり、養成の質保証と現場への迎合のジレンマに悩みながらも、3)学び続ける・思考し続ける学生を育成することを目指して取り組んでいることが明らかとなった。 次に、実践検証として特別支援学校小学部において、「インドネシアのうたであそぼう」に取り組んだ。使用した楽器は5音音階による竹琴を中心とした竹楽器であり、聴覚過敏の子どもにとっても不快な音にならないよう、音色を統一した。また、使用した音楽には反復があり、子どもにとっても見通しが立ちやすい構造となっていた。さらに、音楽を通して、民族的・文化的側面の理解にもつながるよう、ICT機器を駆使して実践した。その結果、諸民族の音楽を教材化し即興することは、多様なニーズや背景を持つ子どもにとって等しく開かれた表現活動となることが明らかとなった。 さらに、保育者養成課程において、多様なニーズに応じた表現活動を考える授業実践の学生による振り返りからは、誰でも音楽をつくることができること、即興することができることといった意識の変容をみることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、大きくわけて3つの研究を行った。これらの研究結果については、来年度学会発表や論文投稿を予定している。当初の計画より実施方法等の変更は伴っているものの、概ね予定通りに研究を遂行できている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究をもとに、令和6年度は大きくわけて以下の3点を実施予定である。 ① 質問紙調査:保育・特別支援教育における表現活動に関する調査の実施 ② 実践研究:保育者養成課程及び特別支援学校における実践を記録し、定性的に分析 ③ 実践検証:学生・特別支援学校教員による振り返りを通した成果と課題の検証
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、保育者養成課程のある養成校に質問紙調査を実施予定であったが、グループインタビュー調査へと調査方法を変更したこと、また、国際学会で発表予定であったが、日程の調整がつかず、国際学会発表も見送ったことから、次年度使用額が生じている。
|