研究課題/領域番号 |
22K02381
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上土井 貴子 熊本大学, 病院, 医員 (90363522)
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研究分担者 |
水野 敬 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (60464616)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子ども / 疲労 / 意欲 / 生活習慣 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
本研究では、思春期の子どもを対象に、変動する新型コロナウイルス感染症の感染状況に伴う学校生活・日常生活制限等を加味した睡眠時間等の生活習慣、家族の関わり、疲労質問票や学習意欲質問票等を用いた質問票調査による生活習慣指標および疲労・学習意欲指標から、慢性疲労などの不定愁訴への寄与度の高い生活習慣因子を個別に明らかにしたうえで、小児臨床医学的アプローチによる学校教育現場でも実践可能な生活習慣改善に資する介入法の導出を目的とする。新型コロナウイルス感染症の拡大状況等が動的に変動する可能性を有する現況において、継続的な調査研究を推進し、子どもたちの生活環境および生活習慣を把握し、抗慢性疲労の観点から、学習意欲や健康度を高めるための生活習慣改善等に役立てる本研究は社会的貢献度も高いものといえる。令和4年度は、学校の教職員、児童および保護者の協力を得て小学校高学年生を対象とした質問票調査研究を実施した。調査研究データの解析の結果、児童らの新型コロナウイルス感染症に対する恐怖感の程度は減退傾向にあることがわかった。生活習慣においては、テレビ視聴時間や各種動画視聴時間などのメディア接触頻度とゲーム使用時間などは全体的に減少傾向にあったが、先行研究と同様に、これらの使用時間・頻度が多いほど睡眠時間は短く、疲労度も高い傾向がみられた。特に1日当たり4時間以上の視聴傾向がある児童はこの結果が顕著であった。また、疲労度が高いほど学習意欲が低下している傾向もみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初立案した研究計画通りに、研究を推進することができているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始当初に計画していた研究を今後も推進する。追跡調査を実施するとともに、データ解析を深堀し、個別の介入方策も視野に入れたデータ解析とフィードバック案を作成していく予定を立てている。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大状況等も鑑みながら、柔軟に研究計画の変更等にも対応することを意識して、調査協力校とも慎重に調整を図りながら研究推進を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】 調査研究実施時期が当初の予定より遅れたため、調査データ整理のための研究実施者人件費の予算確保が必要になり、次年度に使用を希望する研究費が生じた。 【使用計画】 上記理由により、次年度の研究実施者人件費として執行予定である。
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