研究課題/領域番号 |
22K02399
|
研究機関 | 帝京短期大学 |
研究代表者 |
近藤 万里子 帝京短期大学, 帝京短期大学, 講師 (20814130)
|
研究分担者 |
星山 麻木 (柳沼麻木) 明星大学, 教育学部, 教授 (70304558)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 自閉スペクトラム症児 / 言語発達順序の逆転 / 言語発達過程 |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(以下ASD)児の発達は定型発達児と異なることが知られている。発達順序が定型発達と異なるケースも報告されているが、それに見合った学習体系が確立していないため、適切な教授が困難になっている。ASD児は個に寄り、様々な面で異なることが知られているが、その1つ1つの個別の事例を集積することによりASD児の言語の発達を分類することが可能であると考える。そして、個別のタイプに応じた適切な療育方法を作成することが我々の最終的な目的である。これらの目的の第1段階としてASD児の言語発達過程の定量調査を行い、逆転しているパターンのASDの全国調査を行ってきた。この調査の分析を2023年度に行い、調査対象となったASD児に逆転の有無と知的障害の有無を問い、逆転と知的障害の有無には相関がないことが明らかとなった。この内容については、日本小児精神神経学会にて研究発表を行い公表している。 また、この内容については同じく日本小児精神神経学会へ投稿を行った。現在は審査中である。 次に、第2段階では個別にインタビュー調査を実施し質的に研究を行った。 この調査では、ASD診断のある5~18歳の子どもをもつ保護者を対象者とした。インタビューでは、我が子の言語発達の在り様と保護者の関わりについて質問を行った。現在インタビュー調査については分析中である。 最終的には、定量調査と質的調査のトライアンギュレーションを通して得られた結果を分析し、この分析から言語発達のある一定のタイプを明らかにする予定である。さらに、それらのタイプに応じ、言語発達についての適切な早期療育支援プログラム作成を構築する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年には第一研究の定量調査については、小児精神神経学会にて口頭発表を行い座長賞を獲得し、学会誌への投稿推薦を頂くこととなった。3月末に学会へ投稿を行い、現在は査読待ちである。第二研究の質的調査については、調査は終了し、現在内容を分析中である。そのため、発表、公表が2024年度中には完成しない可能性が生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
第二研究の分析が終われば、2024年度中に学会発表、投稿を行う予定であるが、学会の開催時期や投稿時期、査読にかかる時間等を考慮した場合、2025年度にかかる可能性も大きい。その際は、1年延長を行いたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者は別に筆頭で科学研究費の助成を受けている。小児精神神経学会の発表では、その研究についても発表を行っている。そのため、研究分担者は自らが筆頭の科学研究費を旅費に用いたため、残金となった。また、2022年度にほぼ調査が完了したため、2023年度は定量調査及び質的調査の両方の発表と投稿を計画していたが、分析に時間がかかり定量調査のみの発表・投稿となったため次年度使用額が生じた。
|