研究課題/領域番号 |
22K02423
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
金平 希 (野津山希) 福山大学, 人間文化学部, 講師 (10550965)
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研究分担者 |
堤 俊彦 大阪人間科学大学, 心理学部, 教授 (20259500)
諏訪 絵里子 目白大学, 心理学部, 専任講師 (40707692)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 情緒応答性 / 自記式情緒応答性尺度, / 母子相互作用 / 発達障害 / 幼児 |
研究実績の概要 |
本研究では,情緒応答性自己報告(Emotional Availability Self Report:EA-SR)の日本版を作成し,その信頼性と妥当性を検証することを目的としている。 また,幼児期の発達障害児と定型発達児の母親のEA-SRをくらべ,認識の違いを検討すること,発達障害についてEA-SRと専門家の観察による情緒応答性尺度(Emotional Availability Scales:EAS)の関係を調べ,違いが生じやすい下位尺度を検討することも目的としている。2023年度の研究活動の主な概要を以下に示す。 <日本版EA-SRの収束的妥当性および弁別性の検討> 2022年度に日本版EA-SR(29項目5因子「敵意」,「子どもの関与」,「情緒の質」,「相互同調」,「侵入性」)を完成させ,信頼性を検証した。そこで,EA-SR日本語版の収束的妥当性の確認のため,母親と乳児の情緒的な絆,子どものアタッチメント行動,母親の愛着スタイルや養育態度との関連をPearsonの積率相関係数を算出することにより検討した。また,EA-SR日本語版の弁別性を確認するため,子どものASD傾向の有無,母親のうつ傾向の有無について,EA-SR日本語版の各5下位尺度の合計得点の平均値を比較することにより検討した。その結果,愛着や養育態度に関する変数と期待される相関を示し,収束的妥当性が確認された。また,子どものASD傾向や母親のうつ傾向に関する変数の群間の違いにより,弁別性が確認された。この結果は「侵入性」を除いて概ね予測と一致していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EA-SR日本語版の収束的妥当性および弁別性が確認された。また,それらの結果をまとめて,第35回日本発達心理学会でポスター発表が実施できた。さらに,論文化に向けて準備を進めている。 一方,観察によるEASとの妥当性については,EAS評価の実施対象を30組としていたが,2023年度は16組であったため,2024年度に継続して実施する。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度で,日本版EA-SRの収束および弁別的妥当性が検討できたため,2024年度は以下のように研究を推進したいと考えている。 2023年度の日本版EA-SRの結果をまとめ,学会誌に投稿する。さらに,定型発達の幼児とその母親約14組にEASを実施し,日本版EA-SRとの相関を検討する。 さらに,療育施設を利用しているASD特性を持つ幼児と母親10組を対象に,日本版EA-SRとEASを実施する。ただし,EASの観察には時間を要するため,2024年度中にASD特性の幼児とその母親10組の参加者の確保および評価が難しい可能性がある。その場合,継続して2025年度も実施を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は,オンラインにより会議や学会が開催されたため,旅費等の使用が予定より少なくなったためである。 次年度以降,研究推進のため計画的に予算を使用する。
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