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2022 年度 実施状況報告書

気になる子どもに関わる保育者に対する個別的双方向的支援

研究課題

研究課題/領域番号 22K02427
研究機関九州女子短期大学

研究代表者

矢野 洋子  九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (60596592)

研究分担者 田中 敏明  豊岡短期大学, その他部局等, 教授 (50036935)
松本 禎明  九州女子短期大学, 子ども健康学科, 教授 (50239125)
安東 綾子  九州女子短期大学, 子ども健康学科, 講師 (20785159)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード気になる子ども / アンケート調査 / 支援者の困り感 / 双方向的研修
研究実績の概要

令和4年度は、本研究の初めに掲げた、目的1、「気になる子ども」への保育者の困り感や不安を把握するとともに、気になる行動とその背景をどのように捉えているのか、どのような支援を行ってきたのか、保護者の理解を促すためにどのような方策を講じてきたのかを把握する、目的2:保育を参観し、「気になる子ども」保育者の子ども理解や子どもに対する支援の妥当性と問題点、課題を明らかにするために基礎調査を行った。具体的な実施内容は、下記の2点である。
①研究の目的の基礎的な内容の1つである「気になる子ども」への保育者の困り感や不安を把握するために、九州各県の保育園・幼稚園・子ども園にアンケート調査を行った。アンケート内容の精査のためにプレアンケート調査も実施した。アンケートの依頼については各県の保育協会等を通して紹介を受けた園に対して無記名での調査を行った。その結果282名の保育者からの回答を得た。
②また令和5・6年度に実施予定の双方向的支援のための研修会実施のために、アンケート調査の協力を得た園を訪問し「気になる子ども」の実態や研修の希望についても聞き取りを行った。
その結果、訪問したどの園からも気になる子どもが多く支援方法に困り感が強く、具体的な支援方法についての研修やアドバイスを必要と感じていたが、現実的な対応ができていないことが明らかになった。アンケートの結果については、令和5年度に学術論文として発表する

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の研究計画主たる内容は、気になる子どもを担任する保育者の実態調査であった。九州各県から原則1園を選択し、保育者に聞き取り調査及び記入式の調査を実施し、「気になる子ども」の有無、特徴、「気になる子ども」をどのように捉えているか、これまでどのような支援をしてきたか、どのような個別支援計画を作成しているか、「気になる子ども」の保護者の実態とこれまでの対応、困り感について調査した。
保育者への実態調査については、282名より回答が得られ、約8割がクラスに気になる子どもが存在し、加配の保育者についても8割がいないと答えている。また、気になることとして、集団行動ができない、友達とのトラブルの多さが6割から7割と高く、その行動の原因として発達障害や家庭環境が指摘されている。このような状況下に置かれている中で、客観的な指標(発達チェック)や専門的なアドバイスを受けておらず、園内の情報共有が保育者の拠り所となっており、負担感が高い(7割以上)状況が明らかになった。今後は自由記述を分析する予定である。
また、実態調査に協力いただいた九州県内6県20数園のうち都合のあわなかった2園を除いて訪問し、アンケート調査を通して研修の必要性について説明し、保育現場における状況把握を行った。また各園が希望する研修内容を実施するための内容や日程の調整・双方向的な個別保育者支援の実施計画策定に向けての準備を行ってきたためおおむね計画に沿って順調に実施されていると考えている。

今後の研究の推進方策

令和5年度は、双方向的な個別保育者支援の実施が主な計画となる。園からの要望に沿って「気になる子ども」の訪問支援を行い子どもや保育の状況の把握を綿密に行いその結果から、支援方法についての研修(zoomでも参加可能)を2ケ月に一度程度の実施を行う。その後は支援の効果と課題の検証を保育の実践の結果、子どもや保護者の変化・保育者の意識の変化などを定期的に研修会において報告をしてもらうことからさらに、支援方法についての工夫を重ね、支援におけるPDCAサイクルの構築を目指して行っていく。その結果現在の気になる子どもへの支援の課題を分析し、検討を行う。
その際には個人情報に関する取扱いには十分留意して施設長の許可のもとにとり行う。(これについては、九州女子短期大学のヒトを対象とした実験承認:九女倫承R5-11号として承認されている)

次年度使用額が生じた理由

次年度も、今年度から引き続き研修活動を継続するため、研修や気になる子どもの観察に行くための旅費、その他として、研修会場の確保や資料作成ための費用、研修後の保育者からのアンケートのデータ整理の人件費が必要になる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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