研究課題/領域番号 |
22K02449
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
北 徹朗 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60570447)
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研究分担者 |
服部 由季夫 星槎大学, 共生科学部, 准教授 (70382562)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 赤白帽 / 帽子表面温度 / 帽子内温湿度 / 児童用帽子 / 暑熱環境 / 子ども / 小学生 / 新しい帽子の開発 |
研究実績の概要 |
研究1年目にあたる2022年には、各地で観測史上最高気温を更新し、特に2022年6月には東京都心の6月観測史上最高36.2度を記録したり、翌7月には6地点の同時に観測史上最高気温を記録するなど、5月以降の暑熱環境は深刻化していた。同じ年には、今後数年以内に地球全体の気温が1.5℃以上上昇する可能性が指摘されるなど、暑熱環境は以後も深刻になることが予想された。実際、気象庁によれば、2023年の平均気温が、これまでの平年値(2020年までの30年間平均)を1.29度上回り、1898年の統計開始から最も高くなったと発表している。 なお、これまでの最高は2020年の平年プラス0.65度であり、これを大幅に更新している。2024年の気温も上昇することが指摘されており、本研究の意義の高さと早い公表が望まれていると思われる。 研究2年目にあたる2023年には、1年目の研究成果に基づくプロトタイプの作成を進めた。1年目に得た基礎データやアンケート調査で得られた保護者の意見を参考に、9種類の配色・素材・形状の新しい帽子を作成した。このプロセスと結果については、主に3年目の前半に学会等で発表し、3年目の後半には論文として公表し、新しい帽子の最終提案・提言としてまとめる予定である。2023年度内に人工暑熱環境下でのプレテストは終了させ、2024年度(3年目)には人工暑熱環境下での本実験を経て、屋外の直射日光下でのフィールド検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会実装できる実用性の高い帽子を開発するために、当初は3年目に予定していた保護者に対するアンケートを1年目に前倒してデータを収集していた。2年目には児童の運動中の帽子内温湿度データとともに、複数種類のプロトタイプを完成させることができた。3年目に提言を示すにあたり、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
3年目(2024年)には、人工暑熱環境下での検証を経て、屋外暑熱環境下においてプロトタイプのフィールド検証を行う。そして、有用性の高いと思われる、形状・素材・配色の帽子を絞り、実際にヒトが被った際のデータを観察する。このプロセスを経て、暑熱対策および熱中症対策に有用性の高い「新しい児童帽子」の新提案をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
近年の突発的な猛暑や年々深刻化する夏期の屋外環境の状況から、赤外線サーモグラフィカメラを1年前倒して購入し、1年目からデータ収集を開始した。 そのため、金額不足による前倒しで2023年度の物品費を使用した。
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