研究課題/領域番号 |
22K02464
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
樽見 航 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (40714895)
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研究分担者 |
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 匂い / オキシトシン |
研究実績の概要 |
本研究は、匂いが社会的絆形成に及ぼす影響と自閉スペクトラム症(ASD: Autism Spectrum Disorder)との関連性について検証することを目的としている。以前の研究から、ASD患者の脳内でオキシトシンやバソプレシン濃度の低下が報告されており、点鼻投与によって不安症状や社会性の改善が見られることが示唆されている。 また、ASD患者は化学シグナルに対して定型発達とは異なる生理反応を示す可能性があるため、父母の匂いに対する反応がASD児と定型発達児で異なる可能性がある。しかしながら、匂いによる親子間相互作用による社会的絆形成に関する研究は不十分であり、本研究によりASDの治療や予防に向けた重要な手掛かりを得ることができる可能性がある。 本年度は、COVID-19の影響や機器の故障、方法論的問題などにより予定より実験が遅れた。これまで当研究室では、オキシトシン測定で多くの先行研究で実績のあるEnzo Life Sciences社のOxytocin ELISA kit(#ADI-900-153A)を使用してきた。しかし、最近のkitを使用した結果、十分にオキシトシンを検出することができず、製品lotが変更された可能性が考えられた。そこで、新しいlotでも測定できるように、唾液の採取法や精製方法を検討し直した。その結果、ELISA法による唾液中オキシトシンの濃度測定により、オキシトシンを正確に測定できることが確認された。来年度は、この方法を用いて、匂いによるオキシトシン分泌や脳機能などへの影響を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、COVID-19の影響や機器の故障、方法論的問題などにより予定より実験が遅れた。特に年度前半はCOVID19の影響で、スモールスケールの実験を行おうとしたが、唾液の採取などは感染の問題から難しいと考えられた。後半は、脳測定機器の故障やオキシトシン測定の方法論的問題が浮上し、それらを解決するために時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
スモールスケールの実験で確認してきた両親の匂いが子の唾液中オキシトシン濃度を増加させるという検証結果を再度確認し、その後、ASD傾向の高い子では、唾液中オキシトシン濃度がどのように変化するのか検証していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19などの影響により、予定よりも研究の進みが遅く次年度使用額が生じた。 残額は研究補助員の人件費や被験者謝金、脳機能、生物学的、心理学的実験で使用する物品の購入に使用する。
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