研究課題/領域番号 |
22K02469
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研究機関 | 松蔭大学 |
研究代表者 |
深谷 野亜 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20329329)
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研究分担者 |
金城 悟 東京家政大学, 家政学部, 教授 (70225118)
古野 愛子 日本文理大学, 経営経済学部, 准教授 (70795898)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 保育職 / ジェンダー / 保育者育成 / 職場適応 |
研究実績の概要 |
2022年度は三か年計画の初年度にあたる。2022年度は、①先行研究の収集、②ヒアリング調査を実施することで、現状を再確認し2023年度以降の調査の精度をあげることを目的としていた。 ①については、国内の男性保育職に関連した先行研究を収集し、内容をまとめている段階にある。②については、コロナ感染症の影響で、一部ヒアリング調査が延期・中止された分があるが、14名の保育職に対するヒアリング調査をZOOMで実施した。内訳は園長3名、男性保育士8名、女性保育士3名である。ヒアリング調査の結果、①先行研究と同様に、今回の調査対象者は、性別に関係なく保育職としてとらえているようであった。しかし、今回のヒアリング調査の対象者は、男性保育職8名のうち、勤務歴3年未満の者は1名で、残りの7名は女性が多い保育職にすでに適応した者であった。3年以内に離職するケースが多いことから、今後勤務して3年未満の男性保育職に就く者に、追加調査を行う必要がある。また以前実施した幼稚園児・保育園児を持つ保護者の調査から、父親の育児関与には育児を軸にした人間関係が結べる場が必要であるとの結果が得られた。保育職においても各地に男性保育職の会のような組織が存在することから、男性が保育職に適応するために、同性からのネットワークが必要と考えていた。しかし今回のヒアリング対象者はいずれも、男性保育職の会の存在は知っていたものの、特に参加するつもりはないと考えていた。保育職につく男性の抵抗を促す要件として、同性の職業的なネットワークの有効性について改めて検討することが必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究の収集・整理については、担当者の所属大学が変更したことで予定より遅れている部分はあるが、質問紙調査実施までには十分間に合う状態にある。ヒアリング調査については、新型コロナ感染症の影響から、一部のヒアリング調査が中止になったり、対面調査の予定がオンラインでのヒアリングに変更になった。中止になったケースについては、対象者を変更し実施した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、先行研究における課題やヒアリング調査の結果を踏まえて、質問紙の作成・調査対象者の選定に入っている段階にある。具体的には8月中に質問紙を作成し、その後松蔭大学研究倫理審査を受け、11月下旬ごろから、質問紙調査を実施することを予定している。本調査の場合、男性保育者のサンプル数の確保が難しいことが予期されるため、現在、調査協力者等に協力を依頼している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響から、予定されていたヒアリング調査ならびに研究者の打ち合わせがすべてオンラインでの実施となった。そのため、旅費の支出がゼロとなった。また、2022年度に、調査で使用するための専用のICレコーダーとノートPCを購入する予定で予算を計上していたが、全体の進捗状況との兼ね合いから、2023年度以降の購入へと変更することとした。
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