研究課題/領域番号 |
22K02470
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
多々良 俊哉 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90804401)
|
研究分担者 |
前田 史篤 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00341157)
半田 知也 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (20383648)
阿部 春樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (40018875)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 眼位検査 / 眼球運動 / 視線解析 / 衝動性眼球運動 / 滑動性追従運動 / 輻湊 |
研究実績の概要 |
2022度までに刺激生成装置,刺激提示モニター,アイトラッキングシステムを1つの装置内に搭載した視線解析技術を応用した眼球運動計測システムを作製した。これにより眼球運動を誘発する刺激の生成と眼球運動の時系列データの記録が1台の機械で可能となり,移動する刺激に対する追視の正確性の評価が容易となった。 2023年度はこの計測システムを用いて健常成人の測定を行った。また刺激と視線位置の時間的変化が同時記録可能である利点を活かし,刺激と視線の波形の一致率を求めることで眼球運動の正確性の評価を行った。なお事前の検証により,実際には刺激と視線位置の記録システムの間には 3~5 (平均 4.5) frameの遅延が生じることが判明しており,このlagを考慮して視標と視線の波形の一致度を求める必要があった。そのため,相互相関係数の最大値 (rho max) を波形の一致率の検証のために用いた。結果,視標速度が上がるにつれてrho maxは低下 (刺激と視線の波形の一致率が低下) し,水平眼球運動は垂直眼球運動よりrho maxが高値であった。測定および解析方法は違うものの,本結果は古典的に報告されている眼球運動の性質に従ったものであった。これらのことから本システムにおける測定は眼球運動の性質を把握するのに十分な精度であることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は開発した計測システムを用いて,測定精度の検証を行った。その結果,ヒトの眼球運動の特性に従った結果が得られ,十分な測定精度であることが明らかとなった。計画通り測定精度の検証が完了したことから,研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後,眼球運動時の両眼の視線の状態(広義での眼位)に関する解析を進めると同時に,小児を対象とした眼球運動評価の際に求められる衝動性眼球運動の潜時や刺激に対する振幅の大きさの分析を行う。
|