研究課題/領域番号 |
22K02493
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
關 浩和 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00432584)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 教育学 / 教科教育学 / 社会科教育 / インタラクティブ性 / 協働的問題解決 / 授業デザイン / ウェッビング法 |
研究実績の概要 |
本研究は,インタラクティブ性を高めるエドテック活用の社会科授業インストラクショナルデザインを目的とするものである。エドテックEdTechとは,教育Ed+技術Techの造語で,IT技術を教育の分野に利用して新しい価値やイノベーションを起こすことである。エドテックによるアクティブ・ラーニングは,GIGAスクール構想や個別に最適化された学びAdaptive Learningにつながるものである。学習効果をあげるインストラクショナルデザインは,学習者間のインタラクティブ性を高めるために,エドテック活用がどのように効果を及ぼすのかを解明する。そのことは,学校現場の教員の授業力向上だけでなく,社会科教育体系の再構築と今後の教科教育研究を発展させるために,さらなる基盤形成につながるものである。 今年度は,我が国における社会科授業実践事例を収集しながら,エドテック活用に関わる実践校を選定し,各学校での取り組みを概査することができた。分析は,学校現場と協働で取り組みながら,インタラクティブ性を高める社会科授業の基本的なフレームワークを構築することができたので,引き続き,社会科授業のインストラクショナルデザインの開発を行い,適宜加筆・修正を行うとともに,インタラクティブ性を高めるためのキーとして取り上げている協働的問題解決の方略をさらに追究するとともに,協働的問題解決のプロセスを組み込んだ社会科授業のインストラクショナルデザインを開発のための授業構造を解明し,その具体的な授業モデル開発を今後とも継続していきたい。その際,構成主義的アプローチの理論を援用した学習者の認識内容の質的変容と主体的関与を保障するためのウェッビング法をインストラクショナルデザインに組み込んだフレームワークの構築を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた計画通りに進んでいると自己評価している。 おおむねとしたのは,予定していた研究授業が感染状況による学校現場の事情により,休校になることがあり,研究成果に関する意見交換が十分にできなかったためである。ただ,研究の進捗状況には影響ない。
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今後の研究の推進方策 |
インタラクティブ性を高めるエドテック活用の社会科授業インストラクショナルデザイン開発を目指して,次の手順で研究を進めている。①エドテック活用に関する実践校を選定し,各学校での実践事例を収集し,その取組を概査する。その際,分析は,学校現場と協働で取り組む。②エドテック活用によるインストラクショナルデザインを組み込んだ社会科授業の基本的なフレームワークを構築する。 次年度は,さらに,③実践事例のデータベースの開発とリソースの整理・編集を行い,分析対象の事例を選択し,インストラクショナルデザインの構成要素を策定する。④開発したインストラクショナルザインに基づいて実践し,評価を行うことで実証的な研究にする。 以上,本研究のために組織している学校現場の共同研究者の協力を得ながら,議論を深めるとともに,見通しをもって計画的に取り組んでいきたい。
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