研究課題/領域番号 |
22K02498
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
藤井 良宜 宮崎大学, 教育学部, 教授 (10218985)
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研究分担者 |
青山 和裕 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
渡邊 耕二 宮崎国際大学, 教育学部, 教授 (30736343)
小口 祐一 茨城大学, 教育学部, 教授 (70405877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 統計的な問題解決 / 標本調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、統計的な問題解決のプロセスを意識した授業の開発を進めることである。今年度は、統計的な探究プロセスであるPPDACサイクルの内容の明確化に取り組んだ。一般的な問題解決を考えると、必ずしもきちんと問題解決できることはなく、改善のためのアクションを行うことが基本となる場合が多い。これに対して、統計的な探究プロセスの問題の定式化に関しては、統計的に問題解決が可能となるように問題を設定することが大切である。そして、統計的に問題解決可能な問題の例として、3つの場合が考えられることを明らかにした。 また、統計的な問題解決プロセスの指導を行う上では、児童・生徒に対して問いかける問いが重要であり、その問いかけは、統計的な問題解決プロセスを行う際に自分自身に問いかける批判的な問いと関連が強いと考えた。そこで、Arnold and Franklin(2021)をベースに自分自身に問いかける問いを整理した。この内容については、長野県統計教育研究協議会発行の信州の統計教育で整理している。 さらに、中学校第3学年の「標本調査」の単元を例に、教育現場の先生方と研究会を実施し、統計的な探究プロセスを意識した授業開発を行っている。そのなかで、生徒自身が標本調査や無作為抽出法に興味を持ってもらうための出会いの場面を意識した授業の試みを行っている。その授業では、新聞記事の中から標本調査の記事を見出し、その記事に沿って標本調査や無作為抽出に出会うことによって、統計的な腸の有効性や意味を感じてもらうことを目指している。現在は導入部分のみの研究授業しか行っていないが、単元全体や他学年との内容の違いなどを意識した授業開発に取り組みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、3つのポイントを挙げている。1つ目の一般的な問題解決と統計的な問題解決の明確化という点については、1年目である程度達成できている。2つ目の授業モデルの開発についても、すでに取り組んでおり、ある程度の方向性の検討を行うことができている。この点については、できるだけ2年目に授業モデルの開発と実践を試みる予定であり、3つ目のポイントの「統計に対する態度」による評価も実施できる準備はできる状況まで進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目である、2023年度は、次の2点に力を入れて実施する。一般的な問題解決と統計的の問題解決の違いを広く公表し、いろいろな先生方と統計的な探究に力を入れた授業実践に取り組むとともに、中学生版を中心に「統計に対する態度」の測定を広く実施する。また、中学校第3学年を中心に、授業モデルの開発を進め、附属学校などを活用しながら、実践を行う計画である。そして、「統計に対する態度」を評価の観点として、分析を行い、さらなる改善の方向性を明らかにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の中で、学会等がオンラインになり、旅費等を支出が少なくなった。2023年度はコロナ禍による制約も少なくなることが見込まれ、学会発表や研究打ち合わせなどを積極的に行いたい。
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