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2022 年度 実施状況報告書

就学前教育・初等教育におけるESD実現のための木育教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02505
研究機関京都女子大学

研究代表者

矢野 真  京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (00369472)

研究分担者 田爪 宏二  京都教育大学, 教育学部, 教授 (20310865)
吉津 晶子  熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60350568)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード木育 / ESD / SDGs / 教材開発 / 造形ワークショップ
研究実績の概要

本年度は、「持続可能な開発のための教育」を達成するために、自然に触れ、関わることを目的とした「木育」教材の具体的な研究と試行(計画・実践・評価)を第一の目標とした。そこで、ESD、SDGsの文献資料収集及び実践を行っている幼稚園への現状調査、そして地域の保育所・幼稚園の連携によるワークショップの計画・提案を通して、感性を育む「木育」教材の現状を調査し、「木育」教材の現状における問題点の抽出を行い、就学前からの子どもの感性を高め、身近な素材・環境に関わり、コミュニケーション能力を育むための「木育」教材の提案を行った。
その教材制作に関わった学生からは、「木育」教材制作の側面において、木のおもちゃに触れるなど、ひねりゴマを通した「木育」の意義を子どもに伝えること、また様々な遊びや文化伝承という点からの言及が確認され、「木育」教材固有の内容に加えて、対面による地域連携活動にも共通しうる、新たな学びの可能性が得られた。
SDGsの視点からは、項目4(質の高い教育をみんなに)の教育的効果や項目15(陸の豊かさも守ろう)の木のよさを学ぶ機会を得ることとともに、項目7(エネルギーをみんなに。そしてクリーンに)、12(つくる責任、つかう責任)の観点を中心に、再利用材としての木材を使用することなどに重点を置いて実践を行った。そのなかで、ひねりゴマのデザインの視点から、項目5(ジェンダー平等を実現しよう)による男の子と女の子が好むデザインなどが新たに提案された。
また、保育現場における教材制作を通じて、大学生のSDGsに関する認識を深めることが期待できるため、質の高い保育者の養成という点から、「木育」教材とSDGsの視点を活かした保育者養成教育のあり方についても検討する必要が浮かび上がってきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、ESD、SDGsの文献資料収集及び実践を行っている幼稚園への現状調査を行い、地域の幼稚園との連携によるワークショップを計画・提案を行い、SDGs実現に向けた、就学前からの子どもの感性を高め、身近な素材・環境に関わり、コミュニケーション能力を育むための「木育」教材を提案した。
その結果、「木育」教材制作の側面からは、木のおもちゃに触れるなど、制作したSDGsひねりゴマを通して「木育」の意義を子どもに伝えること、また様々な遊びや文化伝承という点からの言及が確認された。このような「木育」教材固有の内容に加えて、対面による地域連携活動にも共通しうる、新たな学びの可能性が得ることができた。また「木育」教材実践の側面からは、コマでの遊びを通して匂いや木の素材や感触、コマ自体への関心を示していた。また集中して取り組む様子や、回る様子自体に興味を持っていること、友だちや保護者と遊びを共有するなど、コマ遊びがコミュニケーションに繋がっている様子が窺われた。
その結果は、京都女子大学「発達教育学部紀要」第19号(就学前教育・初等教育におけるESD実現のための木育教材の開発-木のコマを用いた教材の研究-)に掲載している。

今後の研究の推進方策

研究2年目は、これまでの問題点の抽出と検討に基づき、地域の保育現場や小学校などとの連携を通したワークショップの提案やアンケート調査を行いながら、SDGsの項目と照らし合わせ、子どもが新たな感性を育み、コミュニケーション能力を育成するための「木育」教材の具体的な検討と試行を行う。保育現場等における実践環境については、協力要請が済んでいる保育現場との連携を通したワークショップの提案及び調査を行いながら、「持続可能な開発のための教育」を達成するための、実際の就学前教育・初等教育におけるESDそしてSDGsの視点に立ちながら具体的に自然に触れ、かかわり、背景を知り、つくることを目的とした「木育」教材の開発について、具体的な検討と試行を行う。
また、保育現場における教材制作を通じて、大学生のSDGsに関する認識を深めることが期待できるため、質の高い保育者の養成という点から、「木育」教材とSDGsの視点を活かした保育者養成教育のあり方についても検討する必要が考えられる。

次年度使用額が生じた理由

現地調査を行った結果、遠隔地での木育によるワークショップを行う計画が出てきたため、次年度に計上する必要がでてきた。その使用計画としては、旅費及びワークショップに必要となる機材や道具等に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 就学前教育・初等教育におけるESD実現のための木育教材の開発 -木のコマを用いた教材の研究-2023

    • 著者名/発表者名
      矢野真、田爪宏二、吉津晶子
    • 雑誌名

      京都女子大学「発達教育学部紀要」第19号

      巻: 19 ページ: 263-272

  • [備考] コラム:幼美つれづれ草 -第12回- 幼児の造形とSDGsについて考える

    • URL

      https://chikuyoubi.com/2023/02/09/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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