研究課題/領域番号 |
22K02516
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
松友 一雄 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90324136)
|
研究分担者 |
大和 真希子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (60555879)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 教師の見取り / 教師のインターベンション / 学習の深まり / 読解学習 / 思考や認識の深化 |
研究実績の概要 |
本年度は、授業において効果的な学習場面を生み出すための「見取り」と「インターベンション(介入)」を行うために、教材分析及び学習計画段階で、学習者のどのような認識や思考のプロセスを「読みのプロセス」や「学習のプロセス」として想定すべきであるか、という点を明らかにするための研究を中心に行った。具体的には、教材分析段階で想定された「学習者の読みのプロセス」と教師の「見とり」と「介入」の関係を明確にするために、小学校6年生教材「海の命」を扱った授業事例の分析を進め、特に主題に深く関係している「太一はなぜクエを殺さなかったのか」という問いに対する学習者の読みのプロセスを、実際の授業における学習のプロセスとして、教師がどのように想定しているのかという点を軸にして、実際の授業における教師の「見取り」と「介入」によって実現したのかという点を対象に考察を行い、両者の関係性を類型化した。また一方で、小学校1年生の「はなのみち」の授業事例を学習集団形成、学習規律の内面化、学習環境の整備の観点から分析を行い、小学校低学年、特に入門期における教師の「見取り」と「介入」の類型とその効果を明らかにした。 こうした事例分析研究に加えて、授業を実際に計画実施した教師自身の考えをインタビューの形で収集し、実践者自身がどのような意識や考えで教材分析や授業計画し、実際お授業における「見取り」や「介入」へと結びつけているのかという点をミクロレベルで対象化して分析を加え、両者の相関性や連続性を見出し、学習効果を基準にして類型化を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、教師の授業計画段階での教材分析や授業設計の在り方が、実際の授業における見取りやインターベンションの実際とどのように関係しているのかという点について一定の研究成果を得ているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は現在得られている知見を基盤にさらに授業実践事例の収集・分析・考察を進め授業計画段階において何をどのようにすれば、実際の授業において効果的な見取りとインターベンションが実現できるのかという点を明らかにしていく。 また、さらに明らかになった点を踏まえて、効果的な見取りとインターベンションが実際の授業において遂行できる教師を育成するための研修の開発を進めていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、調査対象となる学校などが訪問できなくなる状況が生じたため、旅費の使用ができなかったため。
|