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2022 年度 実施状況報告書

立憲主義に基づく主権者教育の実践―LGBTQ包摂教育を中心とする探究型教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02529
研究機関獨協大学

研究代表者

岡田 順太  獨協大学, 法学部, 教授 (20382690)

研究分担者 横大道 聡  慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (40452924)
栗田 佳泰  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60432837)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード憲法 / 主権者教育 / 公民 / LGBTQ / 教材開発 / 立憲主義
研究実績の概要

本研究は、①主権者(公民)教育において立憲主義を扱う意義について(理論研究)、②諸外国や国内における主権者教育の実例や教材を調査・分析し(比較研究)、③中等教育における主権者教育のための教材の開発を行うこと(方法論研究)を目的とする。
理論研究に関して、評価の大きく分かれる芸術作品の展示に関する議論や民主政に抽選制を導入することの是非に関する議論などの検討を行いつつ、これらの問題の主権者教育的意義について検討した。また、初学者向けの法学の基本書の作成において、本研究に関わる諸問題を主権者教育的観点から考察する視点を盛り込むように努めた。これらの成果は、後述の業績として公刊されている。
比較研究に関して、2022年度は研究分担者の横大道がトリニティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)において在外研究を行った関係で、アイルランドにおける実情調査を行った。アイルランドでは、2015年の国民投票により同性婚を認める憲法改正が成立した(横大道監訳(2018)「アイルランドの憲法変動」法学セミナー767号46-54頁)が、今回の実情調査で現地の大学の研究者やLGBTQ地位向上運動家に直接ヒアリングを行い、多様な価値観を尊重する社会をいかにして形成するべきかという課題について重要な示唆を得た。
方法論研究に関して、研究代表者の本務校の授業において、学生に法案作成を行わせる取組みを行い、その意義と課題について検証・分析した。また、研究分担者(栗田)は、新潟市との協力により、中学生を対象とした模擬国会を実施し、その意義と課題について検証・分析した。これらの成果は、後述の業績として公刊されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共同研究者が海外留学という事情もあって、研究会を合同で開催し、研究内容について分析・評価する機会を設けることは難しかったが、逆に留学先であるアイルランドの実情調査を行う機会に恵まれ、比較研究の観点から本研究の進展に大いに貢献したと考えている。この成果を何らかのかたちで公刊・公表することが重要であると考えている。
理論研究及び方法論研究に関しては、構成員各自の視点から研究を進め、業績を公刊することができた。
以上の点から、おおむね順調に進展していると評価し得る。

今後の研究の推進方策

初年度の実績を踏まえ、各研究領域のさらなる進展を目指すことが課題となる。
理論研究については、わが国においてもLGBTQ差別解消法案の議論が活発になっており、そうした具体的なトピックを念頭に置きつつ、これを主権者教育にどのように盛り込むかという観点からの研究を進めていくことが必要であると考えている。
比較研究については、コロナ禍で各種の支障が生じていた海外調査が自由に行えるようになると見込まれるので、可能な限りでの現地調査を進めていきたい。特にアイルランドに関しては、初年度に研究者等の人脈も構築できたこともあり、継続的な学術交流を通じて、本研究の進展に結びつける成果を出していきたいと考えている。
方法論研究については、引き続き従来の研究方法を踏襲しつつ、その課題を改善して、さらなる発展に向けた考察等を行っていきたい。
以上、各領域についてバランスよく対応し、本研究の推進に努めることとしたい。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、研究分担者の一人が海外研修期間となり、帰国時の運搬費用等を考慮して資料等の購入を控えた。該当額については、次年度における資料購入費等に充てる予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 続・立法政策学ことはじめ―大学生による法案作成授業の取組み2023

    • 著者名/発表者名
      岡田順太・岩切大地・大林啓吾・横大道聡・手塚崇聡・栗田佳泰
    • 雑誌名

      地域総合研究(獨協大学地域総合研究所)

      巻: 16 ページ: 29-41

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『選挙制を疑う』を疑う―抽選民主制に関する憲法的考察2022

    • 著者名/発表者名
      岡田順太
    • 雑誌名

      獨協法学

      巻: 117 ページ: 1-21

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「表現の不自由展かんさい」訴訟2022

    • 著者名/発表者名
      横大道聡
    • 雑誌名

      令和3年度重要判例解説(ジュリスト)

      巻: 1479 ページ: 20-21

  • [雑誌論文] 大学生による中学生のための模擬国会2021―新潟市・令和三年度「憲法のつどい」の資料2022

    • 著者名/発表者名
      栗田佳泰
    • 雑誌名

      法政理論(新潟大学)

      巻: 55(3) ページ: 115-137

    • オープンアクセス
  • [学会発表] (コメント)コロナ禍の教育問題2023

    • 著者名/発表者名
      岡田順太
    • 学会等名
      (シンポジウム)コロナ禍の教育問題―憲法学、教育学、そして現場から(熊本学園大学)
    • 招待講演
  • [学会発表] 立法政策学ことはじめ―大学生による法案作成授業の取組み2022

    • 著者名/発表者名
      岡田順太
    • 学会等名
      地域総合研究所第1回例会(獨協大学)
    • 招待講演
  • [図書] 法学概説2022

    • 著者名/発表者名
      神野 潔、岡田 順太、横大道 聡
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      978-4335358821

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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