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2022 年度 実施状況報告書

想像力を育む学習に関する学際的研究:CONNECTEDkindの効果測定を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K02556
研究機関聖心女子大学

研究代表者

永田 佳之  聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20280513)

研究分担者 水島 尚喜  聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (20219629)
井藤 元  東京理科大学, 教育支援機構, 教授 (20616263) [辞退]
山下 恭平  東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (30855622)
木戸 啓絵  東海大学, 児童教育学部, 講師 (90746439)
横田 和子  広島修道大学, 国際コミュニティ学部, 講師 (80434249)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードESD / プレイフル・ラーニング / CONNECTEDkind / 持続可能な開発のための教育 / 遊び / 影
研究実績の概要

CONNECTEDkindはユネスコ等の推進するESD(持続可能な開発のための教育)の一環として持続可能な社会・未来を構築する基盤として考えられており、ESD関連の文献や書籍を基礎的な研究として購入し、読み込んだ。中でも英国のESDのグッド・プラクティスとし知られるアシュレイ小学校での実践である「ハーモニーの教育」はCONNECTEDkindとも親和性が高いだけに、多くの知見が得られたといえる。
研究会は初年度末までに5回開催し、さらに予備的とも言える実験を3回に分けて行った。また研究会でも議論を重ね、未来志向の「遊び」研究も重視し、新渡戸文化学園に所在するVivistopの見学に行くなど、現場からの学びを深めることも叶った。さらに、CONNECTEDkindの創始者であるラウラ・べレヴィチャ氏とも頻繁にオンライン交流を重ね、CONNECTEDkindで描くことになっている「影」の意味なども検討した。なお、定例的な研究会にはユネスコスクール担当のユネスコ本部職員の研究協力者(パリ在住)の参加を通して貴重な意見を共有できた。
Dropletと称されている作品については、高等教育機関で学ぶ学生を対象に収集し、Padletというソフトに蓄積をすることができた。
研究代表者の大学にて人を対象にした研究の倫理審査を通した後に、上記の実験について、コロナウイルス禍が落ち着きを見せてきた2023年の年明けから3回に分けて実施し、大学生4名と大学院生1名が被験者となり、2台の米国製脳波測定器で脳波の記録を取った。ヘッドバンドがずれるなどの細かな課題はあったものの、大方の測定は無事に終え、分析結果も研究会で共有された。なお被験者は測定器メーカーの推奨に則り、小学生等ではなく成人(大学生以上)に限定することなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ、当初の研究計画どおりに進んでいると言ってよい。ただし脳波測定器会社の推奨に対しても十分に配慮する必要性からも脳波測定の対象は大学生以上とした。他方、小学校での授業は翌年度に行うことになった(管理職への依頼と実施教員の決定なども了承済み)。実験については、5人の学生を対象にしたが、一部の装備の不具合(ヘッドバンドのずれ)を除いて上手くいった。ヘッドバンドの装着問題など、最終的には克服でき、正確な測定ができた。年度内に予定されていた倫理審査も済ませることができた。また、これまでに蓄積されたCONNCTEDkindのDroplet(作品)はPadlet上で保管した。これらは画像分析の対象として保存されている。当初予定していた作品を作成した学生へのインタビューであるが、実験に参加した学生には描写時の印象などを聞くことができたが、時間的な制約や実験後の疲労感の課題もあり、体系的な聞き取り調査までは至らなかった。この点は今後の課題であり、2年度に着手される小学校でのインタビュー調査にもこの経験を活かしていく所存である。

今後の研究の推進方策

2年度は、学校現場での実践が始まる。すでに都内の小学校と担当教員(研究計画書で研究協力者として記載済み)も決定しており、1学期に2回ほど授業を実施していただく予定である。また、同時に、大学での授業においてCONNECTEDkindのDropletの作品数も増やしていき、画像分析の対象にしていく予定である。予定よりは早いが、2年度中に、1年度目の実験結果をもとに論文を書き上げ、美術科教育関連の学会に研究代表者と研究分担者の共著として投稿することも予定されている。さらに年明けになるかもしれないが、本人に無理がなければ、予定どおりにCONNECTEDkindの創始者であるラウラ・べレヴィチャ氏を日本に招聘し、ワークショップ等を実践する予定であるが、新型ウイルスによる感染状況や本人の予定と照らし合わせて慎重に決めていく所存である。なお、1年目の研究会で検討課題となったCONNECTEDkindの「影」についてであるが、影を実物から切り離して「影あり」の対象と「影なし」の対象とを分けて測定をする可能性も探っていく。

次年度使用額が生じた理由

主に残額が生じた費目は物品費と旅費であるが、前者は脳波測定器を2台購入したものの、研究調書の申請時よりも比較的に安価な機器であったこと、そして後者は新型コロナウィルスの第7波等によって研究調査の出張が思うように実現できなかったことが挙げられる。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アントロポゾフィー音楽療法における楽器演奏時の 聴き手の脳波分析2023

    • 著者名/発表者名
      山下恭平、井藤元、竹田喜代子、勝田恭子
    • 雑誌名

      東京理科大学教職教育研究

      巻: 第8号 ページ: 3-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アントロポゾフィー音楽療士の脳波・呼吸・体温変化の分析2023

    • 著者名/発表者名
      山下恭平、井藤元、森彩花
    • 雑誌名

      ホリスティック教育/ケア研究

      巻: 第26号 ページ: 10-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教育とケアのあわい:保育の営み2023

    • 著者名/発表者名
      木戸啓絵
    • 雑誌名

      ホリスティック教育/ケア研究(26)

      巻: 第26号 ページ: 2-4

  • [雑誌論文] 無走査型吸収分光イメージング法による単細胞光合成藻類の分析とその応用2022

    • 著者名/発表者名
      山下恭平、徳永英司
    • 雑誌名

      材料の科学と工学

      巻: vol. 59, no. 4 ページ: 102-105

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ESDの来し方行く末ーホリスティック・アプローチへのさらなる期待ー2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之
    • 雑誌名

      ホリスティック教育/ケア研究 (25)

      巻: 25 ページ: 8-16

  • [雑誌論文] 気候危機の時代を生きる(序論)2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之
    • 雑誌名

      グローバル共生

      巻: Vol. 2 ページ: 6-9

  • [学会発表] 無走査型吸収分光イメージング法による運動性微細藻類の単一細胞分析2022

    • 著者名/発表者名
      山下恭平,徳永英司
    • 学会等名
      日本分光学会年次講演会
  • [学会発表] Noninvasive and safe cell viability assay for breast cancer MCF-7 using natural food pigment2022

    • 著者名/発表者名
      Kyohei Yamashita, Ryoma Tagawa, Yoshikazu Higami, Eiji Tokunaga
    • 学会等名
      7th World Congress on “Breast Cancer, Cancer Research & Therapy” (Virtual (Oral) presentation)
  • [学会発表] 試料を積分球に内蔵する手法とモンテカルロ・シミュレーションを組み合わせた散乱性試料の吸光度測定2022

    • 著者名/発表者名
      森彩花, 山下恭平, 瀬戸啓介, 小林孝嘉, 徳永英司
    • 学会等名
      日本物理学会2022年秋季大会
  • [学会発表] シュタイナー音楽療法における聴き手の脳波測定2022

    • 著者名/発表者名
      山下恭平, 井藤元, 森彩花
    • 学会等名
      日本ホリスティック教育/ケア学会 第5回研究大会
  • [学会発表] Accurate absorbance measurement of a scattering material by placing the sample inside an integrating sphere2022

    • 著者名/発表者名
      Ayaka Mori, Kyohei Yamashita, Yunosuke Tabata, Keisuke Seto, Eiji Tokunaga
    • 学会等名
      The 15th Asia Pacific Physics Conference
  • [学会発表] 教育とケアのあわい:保育の営み2022

    • 著者名/発表者名
      木戸啓絵
    • 学会等名
      日本ホリスティック教育/ケア学会第5回大会 シンポジウム
  • [学会発表] 持続可能な社会の再考 ホールスクールアプローチの観点から2022

    • 著者名/発表者名
      木戸啓絵
    • 学会等名
      日本自然保育学会 第7回大会
  • [学会発表] 自然保育認定・認証制度による 保育者への影響(1) : 自治体が主催する自然保育に関する研修に着目して2022

    • 著者名/発表者名
      田中住幸, 北澤明子, 木戸啓絵, 鈴木康弘
    • 学会等名
      日本自然保育学会 第7回大会
  • [学会発表] ESDにおける変容を問い直す:ナミビア共和国におけるスタディツアーを事例に2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之
    • 学会等名
      日本ESD学会第4回研究大会
  • [学会発表] 大学におけるサスティナブル・キャンパスの構想に関する実践的課題と考察2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之(神田和可子との共同発表)
    • 学会等名
      日本比較教育学会第58回大会
  • [図書] 絵本で読みとくSDGs2022

    • 著者名/発表者名
      水島尚喜(共著)
    • 総ページ数
      231
    • 出版者
      水声社
  • [図書] 絵本で読みとくSDGs2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之(共著)
    • 総ページ数
      231
    • 出版者
      水声社
  • [図書] よくわかる開発学 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之(共著)
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] エシカル白書2022

    • 著者名/発表者名
      永田佳之(共著)
    • 総ページ数
      282
    • 出版者
      山川出版社
  • [備考] 科学研究費事業による成果

    • URL

      https://nagatalab.jp/research-grant/

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公開日: 2023-12-25  

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