研究課題/領域番号 |
22K02559
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研究機関 | 山梨学院大学 |
研究代表者 |
富永 大悟 山梨学院大学, 経営学部, 准教授 (30795597)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 視覚性ディスレクシア / 読み書き障害 / 限局性学習障害 / 書字障害 / 学習支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、視覚認知の起因する読み書き困難な児童生徒に対し、視覚認知の脆弱性を把握する認知アセスメントにより個々の児童生徒の認知的特性を明らかにし、その認知特性による読み書きに関する認知方略の偏りを修正する教材を開発することである。また、認知特性と書字特性を反映したICT教材にすることにより、児童生徒がもつICT端末で利用することで教室での個別最適な指導を可能とすることを目的としている。 2022年度は、読み書き困難な児童生徒の視覚認知の脆弱性を把握する認知アセスメントに関する文献研究及び本研究で用いるアセスメントバッテリーの策定について検討を行った。本研究では、全般的知能を把握する検査及び視知覚認知を把握する検査とし、アセスメントバッテリー案を策定した。年度内において児童生徒に実施できなかったことから、検査における心理的負荷などが不明確である。そのため次年度において児童生徒に対してアセスメントバッテリーすべてを行う中で、どの程度の期間で行うかなどタイミングを調整する必要があると考えられる。また、本研究でもアセスメントとして用いる予定としている検査に、学校で最も利用さている代表的な検査であるDTVPフロスティッグ視知覚発達検査がある。現在、最新版が日本語標準化作業中となっており、標準化後に本研究の現行版の検査を用いるべきか比較検討する必要性があると考えられる。教材開発については、視覚性の認知方略の偏りを修正可能とする試作版教材の製作を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、読み書き困難な児童生徒に対しアセスメントを実施し個々の認知特性を把握することであったが、COVID-19の影響・制限により小中学校で読み書き困難の児童生徒と対面で接することができず、アセスメントによる認知面の実態把握がかなわず研究の一部を進めることができなかった。今後は来校者の制約が緩和されると聞いているため、児童生徒への検査実施が可能となると考えられる。そのため、進捗状況は改善できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
読み書き困難な児童生徒の視覚認知特性について策定したアセスメントバッテリーにより認知特性を明らかにし、その認知特性による読み書きに関する認知方略の偏りを検討する。さらに把握された視覚性の認知方略の偏りと開発した教材を活用した指導を実施する。開発した教材の有用性の検討を行い、教室での実施に向けた検討を進めることとする。開発する教材については検討内容に応じた修正を行う。また、並行してタブレットで可能なICT教材化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由として、ICT端末の仕様の変化が早いため、研究所年度である2022年度は教材開発用の端末の購入に留めることにし、ICT教材を児童生徒に実施できるタイミングでの購入とすることに変更した為である。また、COVID-19の影響により研究協力を依頼することができなかったために人件費の支出が行われていない。 仕様計画として、ICT端末については2023年度に購入する。また人件費については、COVID-19を取り巻く状況が変化していることから2023年度は研究協力を依頼する。
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