研究課題/領域番号 |
22K02582
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
村上 康子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20458863)
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研究分担者 |
西坂 小百合 共立女子大学, 家政学部, 教授 (50442116)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 器楽 / 幼児教育 / 音楽科教育 / 幼保小接続 |
研究実績の概要 |
2023年度は,1歳児の楽器の自由探索を継続的に観察し,乳幼児は他者からの明示的な指示がなくとも,楽器と,他者とかかわりながら楽器の鳴らし方を変化させること,また楽器から生じた音を契機に,楽器の奏法を学んでいくだけでなく,他者とのかかわりを生じさせることを示した。これまで音楽を教えるという際にイメージされていた,対象化された知識や技能を教えるという視点とは異なる,子ども自らが楽器の扱いを学び,楽器を用いた表現を生み出す姿があることを示したといえるであろう。今後も継続して観察を続け,理論モデルの構築を試みていく。 また,幼稚園・子ども園にどのような楽器があり,どのように使われているのか,さらに,保育者は子どもと楽器とのかかわりについてどのような考えをもっているのかを明らかにするための調査を実施した。その中で,都内の幼稚園のほとんどが,タンブリン,カスタネット,トライアングル等の楽器を保有しているが,その使用方法や器楽活動に対する考え方は多様であり,楽器を使った活動の実際もさまざまであること,楽器を用いた活動の難しさを語る保育者が非常に多いことも明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度までの成果を踏まえ,2023年度は乳幼児の楽器遊びを中心に観察を行った。また,幼稚園で行われている器楽活動についてその様相を掴むための調査研究も進んでいる。しかし、小学校の授業研究で得られたデータの分析が十分には進んでいるとはいえない。そのため,進捗状況としては「やや遅れている」という評価にした。
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今後の研究の推進方策 |
乳幼児期の子どもと楽器とのかかわりを念頭に置きつつ,幼児教育における器楽活動と小学校教育における器楽活動との共通点,相違点を明確にし,器楽活動における幼保小接続の理論モデルを提案し,本プロジェクトの総括を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は調査研究を実施したものの,それを発表し,意見交換するは至らなかった。2024年度は本研究プロジェクトとの関連性の高い国際会議が開催されるため、その旅費として拠出する計画である。
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