研究課題/領域番号 |
22K02584
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宮崎 清孝 早稲田大学, 人間科学学術院, 名誉教授 (90146316)
|
研究分担者 |
野口 紗生 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員 (60634277)
渡辺 涼子 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (70360203)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 保育 / 保育者 / 人の在り方 / 対話的授業論 / 想像 |
研究実績の概要 |
本研究はバフチン的な対話的授業論の立場から、幼児のアート教育場面を<子ども-想像世界-大人(保育者・アーティスト)>の三項関係から成り立つと捉え、教育・保育が対話的となり豊かなものとなるためには大人のways of being(在り方)が重要であろうと想定し、その構造を探ろうとする。教育・保育で想定されがちな、適切な教育・保育方法が定立できればそれにより豊かな教育・保育が可能である、という技術合理主義的な考えに対し、個々の教育者・保育者の世界の中での在り方が重要である、とし、また在り方を、特に三項関係の中での(保育の場合)想像世界、より一般的に言えば学習活動の対象となる世界への関わり方、そしてそれを踏まえた上での子どもたちとの関わり方の問題だと考える。 本年度は、ほとんど理論的な研究に集中し、実証的な面のうち新データ取得は、主として研究代表者の体調のためにあまり行えなかった。理論的な研究としては、アメリカ、フィンランド、スウェーデンの共同研究者とともに出版予定(Brill社より)の著作のための原稿執筆、およびonlineでの共同研究者との討論をおこなった。ハイデガーの存在論の中心的な考えである「人が世界の中に“投げ込まれる”(世界に制約される)と共に、そこに世界への新しい働きかけの可能性を見出すこと」を鍵として用いて、保育場面としてはこれがたとえば想像遊びを行っている子どもにとっては、またそれを助けている保育者にとっては、どのような形で具体化しうるのかについて、これまで取得したデータを用いて検討した。 研究報告については、代表者および分担者のうち渡辺が、フィンランドの共同研究者主催の研究集会で報告した。また渡辺が保育者の役割について論文を他の研究者と共著した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
主として研究代表者の体調不良により、研究の実証面のうち新しいデータ取得が十分には遂行できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
実証的な面について、昨年度末から本年度の観察による新しいデータ取得への準備は進んでおり、本年度は順調に行える予定である。また理論的な面については、海外研究者との打ち合わせも含め順調に推移しており、全体としての遅れを取り戻せると考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の体調不良により、研究の実証面での新規データ獲得があまり遂行できず、そのため特に出張旅費の使用が少なかったため。
|