研究実績の概要 |
2022年度は地域の観光資源を捉え,それを他地域にアピールしていく地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践した。重点校として位置づけている鹿児島県立徳之島高等学校では,地理授業と総合的な探究の時間を連携させて,観光資源について調査し,発表し合うことで生徒の地域への関心や地域理解を深めることができた。課題として地域の中で連携が不足していたことや調べて表現する活動でとどまっていたことがあげられる。 2023年度は地域活性化をめざして観光資源を活用を提案する地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践した。重点校として位置づけている鹿児島県立徳之島高等学校では,総合的な探究の時間においてテーマを決めてグループをつくり,グループごとに協力して継続的に探究した。特に観光資源と関わる3グループでは,地域との連携や地域への発信を意識して探究した。協力校である三重県立尾鷲高等学校と広島修道大学ひろしま協創高等学校においてもほぼ同様のテーマで探究し,2024年2月の3校合同の遠隔会議では,探究したことを伝え合うことができた。2022年度と同様に生徒の地域への関心や地域理解を深めることができたが,ESDの究極目標である地域のまちづくりの参画意識を十分に高めることができなかった。 2023年度は,研究代表者として観光資源と関わる3グループに継続的に関わることができた。また,研究分担者の世界遺産の活用についての特設授業を実施することができた。 2年間の成果をもとに,持続可能性の概念に基づいた小中高一貫地理教育カリキュラムの構想や観光資源を通して地域の課題を考えるESD授業プログラムやESDとしての地誌学習について,地理教育の学会のシンポジウムや自由研究において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は地域の観光資源を捉え,それを他地域にアピールしていく地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムの開発・実践を行った。これを踏まえて,2023年度は地域活性化をめざして観光資源を活用を提案する地理授業と総合的な探究の時間を連携させたESD授業プログラムを開発し,実践することができた。 重点校と協力校と密に連絡をとり,研究の趣旨を共有することで研究体制がさらに整った。このため3校でほぼ同じテーマで探究したことを遠隔会議において伝え合うことができた。3校では観光まちづくりについて伝え合うことで学びが深まり,連携授業の有効性を確認することができた。また,高大連携として探究のあり方について必要な場面で研究代表者が適宜アドバイスを行い,内容について必要な場面で研究分担者の特設授業を実施することができた。 2年間のESD授業プログラムの開発・実践について,その成果の一部を学会のシンポジウムなどで発表している。
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