研究課題/領域番号 |
22K02618
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
荊木 まき子 就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (00781048)
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研究分担者 |
森田 英嗣 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (50200415)
相樂 直子 宮城大学, 看護学群, 准教授 (40850433)
平野 貴大 沖縄大学, 人文学部, 助教 (20516596)
門原 眞佐子 就実大学, 教育学研究科, 教授 (00780991)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 多職種連携教育 / チーム学校 / 学校領域協働コンピテンシー / 教員・養護教諭・心理・福祉職共通IPEプログラム / 学校領域協働ルーブリック |
研究実績の概要 |
本研究は,医療領域で構築されている多職種連携教育(Inter Professional Education,以下IPE)を参考にし,学校領域におけるIPEの構築を目指す。具体的には,①学校領域において,どの専門職も養成段階において共通して獲得することが必要な能力(以後「学校領域協働コンピテンシー」)を明らかにする。②「学校領域協働コンピテンシー」の獲得状況を把握するルーブリックを開発し,③「学校領域協働コンピテンシー」の獲得を促進するIPEプログラムを開発することまでを目的とする。 当該年度では,①「学校領域協働コンピテンシー」を明らかにするために,広域自治体のA教育委員会に協働を熱心に行う市教育委員会の紹介を依頼し,調査協力が得られた4市の教育委員会の担当指導主事等11名及び ,同教育委員会が紹介したチーム支援を行う4中学校の管理職,生徒指導主事,養護教諭,SC,SSW)等22名を調査した。教育委員会調査ではSC・SSWの配置に係る施策を質問した。中学校調査では学校,チーム学校の概要,SC・SSWの勤務形態,多職種連携に至る経緯を質問した。さらに申請者が先行研究から作成した「子ども中心マインド」,「専門性を志向し柔軟に発揮する力」,「コミュニケーション能力 」,「チームとしての学校を促進する力」,「支援の分析・計画・実施・評価の力」,「自己とチームを振り返る力」の6項目からなる学校領域協働コンピテンシー案を提示し「違和感がある部分」,「要変更点」,「関連する事例」,「関連する自職種の専門的能力」を質問した。その結果,6項目の学校領域協働コンピテンシーは,チームが成立した学校に必要な資質能力であると分担・研究協力者と共に確認された。さらに②を開発するために,①の成果をもとにルーブリック案を作成し,分担・研究協力者の養成教育教員らと検討し,学習教材案を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の目標である①学校領域協働コンピテンシーの確認として,協働を熱心に行う市教育委員会および,同市のチーム学校が成立した担当中学校に調査を行い,実際にチーム学校の成立状況について確認することが出来た。その上で申請者が先行研究から作成した「子ども中心マインド」,「専門性を志向し柔軟に発揮する力」,「コミュニケーション能力 」,「チームとしての学校を促進する力」,「支援の分析・計画・実施・評価の力」,「自己とチームを振り返る力」の6つの項目からなる学校領域協働コンピテンシー案を提示し,チームが成立した学校に必要な資質能力であると確認することが出来た。 さらに②「学校領域協働コンピテンシー」の獲得状況を把握するルーブリックを開発として,①の成果を分担・研究協力者の養成教育教員らと検討し,「学校領域協働コンピテンシー」と各学年の獲得期待を決定してルーブリック案を構成し,学習教材案を開発した。 したがって、当該年度の目標は概ね達成されたと考えられ、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は「学校領域協働コンピテンシー」IPEプログラムの試行と課題設定として,①分担・研究協力者の養成校教員と各養成校の個別,養成校をオンラインで結ぶ合同演習を試行する。学修は「学校領域協働コンピテンシー」理解の基礎,パフォーマンス課題の応用,評価は演習の行動や課題の発表および毎回の振り返り,実施後面接を行う。協力学生は,各養成校でボランティア(4職種×概ね10名前後)を募る。②各養成課程教員らとIPE課題の調整,パフォーマンス課題の評定より評価基準を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度,課題研究に必要のある事前研究授業を執り行うのに,パソコンの購入が必要なため,次年度使用額が生じた。そのため前年度の予定調査である協働の卓越者へのインタビューと並行しながら,多職種連携教育の教材開発として4職種共同の研究授業を執り行い,授業開発の制度を高め,学生理解についても,検討を行った。その上で、今年度以降の本調査では,より精度の高い研究授業を執り行った。
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