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2022 年度 実施状況報告書

地域創生学の文理融合型フィールドワークの開発:地理総合必修化と高大接続を踏まえて

研究課題

研究課題/領域番号 22K02638
研究機関宮城大学

研究代表者

高橋 信人  宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (90422328)

研究分担者 蒔苗 耕司  宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10295404)
金子 浩一  宮城大学, 事業構想学群, 教授 (10367419)
石内 鉄平  宮城大学, 事業構想学群, 准教授 (90527772)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード地域創生 / 文理融合 / 地理総合 / フィールドワーク / 高大連携
研究実績の概要

本研究は,地域創生の核となる地理・経済・統計・情報の文理融合による,高大接続・企業連携を踏まえた実践モデルの構築と検証を行うことをめざしている。2022年度は,高校教育の学習課程の変化を把握するために,主に新課程における地理(「地理総合」6冊)と公民(「公共」12冊)の教科書を対象に記載内容の調査を行った。
「地理総合」は,3つの大項目「A地図や地理情報システムで捉える現代世界」,「B国際理解と国際協力」,「C持続可能な地域づくりと私たち」で構成される。実践・演習の内容を比較すると,旧課程「地理A」では地形図の読図に関する分量が大きい一方で,新課程「地理総合」では地形図の読図に加えて,上記大項目Aに関連したウェブGISの活用や探究活動を通しての資料のまとめ方に関する記述が多い。このため教科書によっては,「地理A」では地域調査の単元で資料のまとめ方や作図の方法が説明されていたものが,「地理総合」では別単元で説明され,地域調査の単元では簡単に言及される程度になっているなど,新旧課程で構成の変化に伴う記載内容の変化が認められた。
また「公共」については,とりわけ地域経済に関する項目のうち,掲載する教科書が多くなったものの内容を確認した(金子, 2022)。その一つに,「共有地の悲劇」が挙げられる(学習指導要領では「牧草地」と表現されていた項目)。半数以上の出版社が掲載するようになったが,高大接続性は強まったことが確認された。ただし,説明の仕方は文章や図だけのケースと,具体的に数値例を用いたケースとに分かれていた。数値例は四則演算で計算できる平易なモデルであり,自己の利益を追求することで地域全体の利益が減少する恐れがあることを理解できる内容である。これは,地域企業を対象としたフィールドワーク調査を実施する際に,協調性や地域貢献について考えるのに参考になる内容であることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ある程度は計画通り,地理と公共に関しての高校教科書の調査をすすめることができた。しかし,教科書の記載内容を評価するにあたって,より客観的な評価を与えるために,テキスト分析の必要性を認識しはじめたことから,新たにテキストのデジタル化に着手して,その分析をすすめることにした。今後は,新たに出版された教科書を加えてこのテキスト分析をすすめ,調査結果をまとめて学会等で公表していく予定である。

今後の研究の推進方策

デジタル化した教科書のテキスト分析によって,フィールドワークに関する記載内容の客観的な評価を行う。並行して,高校の学習内容で分析できることと大学初年次教育で注意すべきことがらを解明するために,地理および公民の高校教諭への聞き取り調査を行う。各校の特徴ある取り組みを,高校教諭への半構造化インタビューによって把握する予定である(なお,既に概要は固めており,各質問項目の精査をする段階である)。得られた研究成果は適宜学会等で発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍によってオンラインでの学会参加になり,出張およびそれに伴う出張費が生じなかったことが大きな理由である。本年度も新たに高校教科書が出版されていることから,余剰金については,翌年度分として請求した助成金と合わせてそれらの購入に活用する。その他,テキストのデジタル化にかかる人件費,高校教員に対する聞き取り調査の出張費や学会発表費としても活用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高等学校「公共」の経済分野における比較分析-地域と事業に関する内容も踏まえて-2022

    • 著者名/発表者名
      金子浩一
    • 学会等名
      経済教育学会第 38 回全国大会

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公開日: 2023-12-25  

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