| 研究課題/領域番号 |
22K02658
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| 研究機関 | 滋賀大学 |
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研究代表者 |
渡邊 史 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (30634985)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | 表現力 / 教育 / オペラ / 学習指導要領 / 生きる力 / 地方公共ホール / ワークショップ / 総合芸術 |
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| 研究実績の概要 |
「思考、判断、表現の力」…次代を担う児童生徒にこれらの力を培う…2020年度より施行の新・学習指導要領『生きる力』にて頻回に言及されている課題に対する具体的なアクション、すなわち教育プログラムの構築・提供・実行することを、当研究は目指している。ふたつの地方公共ホール、ひの煉瓦ホール（東京）、ひこね市文化プラザ（滋賀）と事業を共同開催しており、両ホール共に、2023年8月に「3日型」のワークショップを企画。現在、計画が進行中である。
題材として、モーツァルト作曲のオペラ『魔笛』よりNr.1冒頭部分を取り上げる。場面の「設定」を考え、背景・衣装・小道具・大道具など必要なものを作成、実際に上演する。対象年齢は小学4年生～20歳程度（ホールにより違い有り）とし、各日の内容は以下である。■初日…*座学「オペラってなに?」*楽曲を知る*グループ分け*上演プラン作成■2日目…*作業継続*トライアウト■3日目…*通し稽古*本番（一般公開）。いずれの場にも、音楽学者、歌手をはじめとするプロフェッショナルがファシリテーターとして関り、計画や作業進行をサポートする。当該計画において特筆すべきは、「ホール機構スタッフ（裏方）」との密な関りである。劇場において行われるイベントは、目に見える「表（出演者など）」だけでなく、「裏方」によって支えられていることを実地に知ることが主眼である。「総合芸術・オペラ」との関わりにおいて、その場に在る全ての者が「当事者」である…児童生徒たち自身が「自ら考え、表現する」ことの必要性、そして他者（社会コミュニティー）と共に人生を構築するための能力の育成はこの体験を通して培われる。
現在はイベントの広報を開始したタイミングであり、具体的なスケジュールを進行している。研究メンバーが所属する各大学との連携もとれており、ホールのある各自治体教育委員会等の協力、後援も取得できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「絶妙のスケジュールで動いている」…という状態である。これまで、研究団体としてのCOO（CreatingOriginalOpera）は類似のワークショップを延べ5回行ってきたが、そのいずれも自主企画・開催であった。この度の科研助成を得て、初めて、地方公共ホールとの共催となり、これまでとは違って様々な点で圧倒的に規模が大きい。いずれのホールも元々、地域に密着した健全な運営がなされていることから、広報などには圧倒的な効果が期待できる。ホールの事務方、機構運転、いずれのスタッフからも全面的に当該研究に協力を表明されており、非常にシンパシーのある関係が築けていることが有難く、喜ばしい。一方で、「即時対応」の小回りは難しい。ひとつの事を決めるにも、ミーティング後の「決済」まで時間を要する。そこにかかる時間を見越しての見通しある計画がなくてはいけないのだが、そこが一番難しいと感じている。研究メンバーはいずれも、大学や小学校をはじめとする教育現場での勤務、ステージ演奏や他の研究にも第一線で携わっている。当該事業に関する想定等を共有しあうこと、意思疎通の大切さを痛感している。ホールも当該研究イベント以外にも多くの事業を抱えており、そのいずれもが大切なものだ。その中で当該イベントは、ホールの「自主企画」という位置づけにもなるため、確実な「成果」を上げる必要がある。
現在は、携わっている者たち一人ひとりの「経験値、知識・見識、スキル、美意識、気合」など、全ての長所が絶妙に関わり合って進行しているように思う。けして「余裕がある」状態ではない。しかし、関わる者たち全員が「次代に向けた、子どもたちへの働きかけ」という明確な目標を持ち、それに大きなやりがいを持っていることこそ、何よりの力になっているのではないかと感じている。今後もコミュニケーションを密に取りつつ、丁寧に取り組んでいかなくてはならない。
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| 今後の研究の推進方策 |
■ひの煉瓦ホール／8月12、19、20日■ひこね市文化プラザ／8月19、26、27日、これらの日にイベントを開催する。いずれの日にもファシリテーターがどのように関わるか決定し、人員配置済みである。その他に学生ボランティアスタッフを、滋賀大学、東京藝術大学、国立音楽大学、成徳大学から募集し、各日に割り振る。ちょうど広報が開始されたところであるが、当該イベントはいずれのホールにおいても初めての試みであるため、参加者の応募がどれだけあるかを読むことが難しい。イベント内容の大枠は変更しないが、応募者たちの年齢分布などにより、扱う内容の難易度や推定所要時間を精査しなくてはならないだろう。それにより、イベント運営のために用いるものの準備状況も変わって来る。これから一カ月半くらいの間で、様々に具体的な作業を行う必要がある。
各ホールとのミーティングスケジュールも現在調整中である。” COO”の想定・希望を確実にホールに伝えるため、その準備も行っている。ことに今回は「ホールスタッフ」の業務、活動、それ自体がイベントのカナメであるから、スタッフ側からの提案や要望も大いに引き出したい。そのためにも、” COO”がどれだけ計画的に立ち回れるか、が重要であると考えている。
各イベントが終了した後、次年度には、それを主たる題材としたシンポジウムを開催予定。また、本年11月から、既に別の公共ホールとの共催イベントが決定しており、そちらも並行して進行中である。現在の共催ホールからは、今後もぜひ共同にての事業開催を、との打診を受けている。より活発に研究を続けていくために、新たな科研費申請を行うこととしている。
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