研究課題/領域番号 |
22K02666
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
大柳 賀津夫 北陸大学, 薬学部, 准教授 (20362014)
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研究分担者 |
岡本 晃典 北陸大学, 薬学部, 准教授 (70437309)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 医薬品教育 / 中学校 / 保健体育科教諭 / 養護教諭 / 学校薬剤師 / 薬学部教員 |
研究実績の概要 |
2012年度から中学校における医薬品教育が義務化され10年が経過したが、医薬品教育の効果は義務化後もほとんど変わっていないとの報告もある。医薬品教育の効果向上に向け、これまでは授業内容の検討に関するものが多かったが、現状を踏まえた新たなアプローチを考える必要がある。そのため本研究では、まず中学校で医薬品教育を受けた高校1年生の実態から中学校での教育効果について確認、さらに中学校で医薬品教育を担当する保健体育科教諭らによる高校1年生の実態予測も併せて行う。これらの結果を踏まえ、薬学部教員や学校薬剤師による医薬品教育を補完していくための内容や方法などについて、中学校の保健体育科教諭や養護教諭の意見も踏まえて検討する。次に検討した内容や方法を中学校で実施し、実施の翌年に再び高校1年生の実態を調査して、検討した内容や方法の効果について検証する。 2022年度は、石川県金沢市内の高校1年生(各校における任意の1クラス)に対し、中学校での医薬品教育の効果やインターネット情報への意識等についてアンケート調査を実施した。また金沢市内の中学校保健体育科教諭および養護教諭、ならびに中学校担当の学校薬剤師には、高校1年生の回答を予測してもらうアンケート調査を実施した。 アンケートの回収結果は以下のとおりであった。すなわち高校1年生については、高等学校19校中18校(94.7%)から回答があり、18校の在籍者数は667名、そのうち634名(95.1%)から回答を得た。中学校の保健体育科教諭および養護教諭については、中学校29校中17校(58.6%)から回答があり、17校の保健体育科教諭および養護教諭の在籍者数はそれぞれ50名および22名、そのうち保健体育科教諭45名(90.0%)および養護教諭20名(90.9%)から回答を得た。中学校担当の学校薬剤師は、29名中16名(55.2%)から回答を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年秋頃の実施を予定していた高校1年生、中学校の保健体育科教諭および養護教諭、ならびに学校薬剤師へのアンケート調査は、諸般の事情により2022年度末での実施となった。これにより、アンケートの解析を2022年度内に行う予定であったが、2023年度に行うこととなったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に実施したアンケートの解析を行う。その後、アンケートの解析結果を踏まえ、薬学部教員や学校薬剤師による医薬品教育補完の内容や方法、医薬品教育と関連づけたメディア情報に対する教育や薬物乱用防止教育の実施方法等について、薬学部教員、金沢市内の中学校担当の学校薬剤師、中学校の保健体育科教諭および養護教諭による合同検討会を開催して検討する。 我々は、2016年4月から中高生やその保護者に対する医薬品教育補完、薬物乱用防止教育等の充実、薬剤師の活躍推進等を目的に、小規模検討として、金沢市内の中学校および高等学校各1校にて、医薬品適正使用や薬物乱用防止、メディア情報への接し方、健康に関する様々な情報を情報紙やWEBサイトを通じて発信、さらに生徒らの医薬品等に関する相談環境整備として相談薬局の指定や保健室での出張相談会開催など、学校薬剤師や地域の薬剤師も関わる「医薬品教育・薬物 乱用防止教育&健康サポートシステム(WEBサイトを含む)」を構築、運用してきた(科研費: 15K01649、18K02552)。そのため、合同検討会の結果により「医薬品教育・薬物乱用防止教育&健康サポートシステム(WEBサイトを含む)」の一部見直しも検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画ではアンケートの結果について学会で発表する予定であったが、アンケート調査の実施時期が遅れたことにより年度内での学会発表が行えなかったこと、また年度内にレーザープリンターのトナーを購入する必要がなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。 翌年度にアンケート調査の結果について学会発表を行う予定であり、レーザープリンターのトナーは残量が少なくなっていることから翌年度に購入予定である。そのため、翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画について特に変更はない。
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