研究課題/領域番号 |
22K02704
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
本間 典子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (50345039)
|
研究分担者 |
櫛山 櫻 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 助教 (40722822)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | 架橋型学習支援システム / 学習過程のステップギャップ / 看護基礎教育 / 解剖生理学教育 / 健康教育 / カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究では、看護学生が看護師になる学習過程で遭遇することが想定される3つのステップGAP、すなわち、①大学入学時の高校/大学間の学習GAP、②在学時の座学/実習間GAP、③卒業後の大学/臨床現場間の学習GAP、を調査し、それらのGAPを埋めるための学習支援システムの作成・実施・評価を行う予定である。 初年度にあたる令和4年度は、第1段階である「入学時の各学年・各学生の学習状況のGAP調査」の基礎データとして、令和4年度入学学年より施行された高校理科の新しい学習指導要領および教科書について、旧課程のものと比較検討できるよう文書や書籍を取得・分析し、大学入学前の理科学習内容をまとめた。 また、第2段階である「在学中の学習GAP調査」として、高校の理科と看護大学1年生で履修する解剖学・生理学・栄養学等の基礎科目との内容を比較するために、高校理科での人体および高校家庭科での食に関する教育内容分析を教科書を用いて行い、看護学教育コア・カリキュラムの内容の連続性を考察した。その際には、看護学教育に先んじて改訂される医学・歯学・薬学教育コア・カリキュラムの解剖学に関する内容も調査し、今後の医学領域で必要とされる人体に関するカリキュラム内容についても考察した。 令和4年度より施行された新しい指定規則に基づく新カリキュラムの要請に基づき、アクティブラーニングを推進するために、XR技術をスマートフォンアプリやVRヘッドセット用いて、学生による解剖生理学の立体教材の作成や食の献立分析を実践した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、3つのGAP調査のうち、①大学入学時の高校/大学間の学習GAP、②在学時の座学/実習間GAPについて、その基盤となる、学習指導要領・高校教科書・大学のカリキュラムについて調査し、基礎データを得た。年度当初の予定では、これらの基礎データを元に、①についての看護学生を対象としたアンケート調査、②についての看護学生および看護大学教員を対象としたアンケート調査について、倫理審査申請を行う予定であったが、対象者の選定やアンケート項目についての文献検討に時間を要しており、年度内の申請に至らなかった。また、アンケート項目のうち、大学における個々人の学習状況を問う項目には、COVID-19感染状況や家庭状況などの学生の個人情報に帰する項目も含まれたため、その取得についてより慎重な議論を要している状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度以降は、①大学入学時の高校/大学間の学習GAP(看護学生対象)、②在学時の座学/実習間GAP(看護学生および看護大学教員対象)、の③卒業後の大学/臨床現場間の学習GAP(卒業生、臨床看護師、大学教員対象)、それぞれについてのアンケート調査を実施し、GAPとニーズ調査を実施していく予定である。得られた情報をもとに、既存のGAPを埋め、ニーズを満たす教育実践とその評価についての研究を行う予定である。 令和5年度はこのうち、①②のアンケートを実施するための倫理審査申請を行い、承認を受けたものよりアンケートを実施する予定である。併せて、ICTを用いた教材開発とその実践を継続する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度当初は、VR三次元解剖体アプリ開発のためのスペックの高いMacタワーを購入する予定であったが、職場のWinコンピューターの刷新が行われ、開発対応ができるようになったため、購入を延期した。GAPとニーズのアンケート調査が進み、具体的なICT教材作成の段階になったとき(令和6年度もしくは令和7年度)に、必要なスペックを搭載したコンピューターを購入よていである。 また、当該年度当初に購入予定であったポケットエコーは、今年度の調査により看護学教育カリキュラムには入っていないことから、本研究では購入しないこととした。
|