研究課題/領域番号 |
22K02709
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
足立 美穂 岐阜大学, 保健管理センター, 特任助教 (10440356)
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研究分担者 |
堀田 亮 岐阜大学, 保健管理センター, 准教授 (10733074)
山本 眞由美 岐阜大学, 保健管理センター, 教授 (40313879)
大西 秀典 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60381620)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 発達障害 / 高等教育機関 / CCAPS / 自閉スペクトラム症 / 注意欠如多動性障害 / 大学新入学生 |
研究実績の概要 |
2016年に障害者差別解消法の施行がされ、大学での「不当な差別的取り扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」が義務付けられた。高等教育進学率の増加に伴い発達障害を有する学生の在籍数も増えているが、その実態は不明瞭である。発達障害のある学生への合理的配慮は、個別性が高く分かり難い面が大きい。本研究では客観的な評価尺度(AQ、A-ADHD)により発達特性の強い学生の頻度を調査し、それぞれの群におけるCCAPS(大学生の精神健康度質問紙)への回答を集計し、どのような心の不調を感じているのか調査した。 令和4年度4月に大学新入学生全員を対象にAQ(日本語版自閉スペクトラム指数)とA-ADHD(成人期ADHD検査)を行った。自閉スペクトラム症の傾向が強いグループとADHD傾向の強いグループに分け、同時に取得したCCAPSについて解析した。本研究ではAQとA-ADHD、CCAPSの全ての項目に回答をした711人を研究対象とした。母国語が日本語以外である留学生は研究の対象外とした。 対象となる大学新入学生で、AQとA-ADHDのカットオフ値を超えた学生数を求めた。CCAPSによる評価では、発達特性の強い学生の群でコントロール群と比較して有意に高い項目が多くみられた。発達特性の強い学生では日常生活や集団生活で困り感を抱えることが多く、大学生活でも不安を感じる場面が多いと推測される。今回の結果については論文として報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
取得データの電子化作業、データ整理及び統計解析作業に時間を要したために予定より遅れている。現在は、論文作成作業に取り掛かっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対象となる学生が2年次、3年次、4年次のCCAPSの変化を検証し、GPA等の学業実績との関係についても検討する。発達特性のある学生がどのような場面で大学生活に困難を感じるのか、ナラティブな分析も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文論文投稿が遅れているため、投稿に必要な費用は次年度へ持ち越した。また、今後のCCAPSでの取得データと、健康診断で調査した問診内容と検査結果等の、データー整備費用及び管理費用が発生する可能性がある。
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