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2023 年度 実施状況報告書

発達障害を有する大学生の頻度・特徴・介入の有効性を明らかにし支援モデルを構築する

研究課題

研究課題/領域番号 22K02709
研究機関岐阜大学

研究代表者

足立 美穂  岐阜大学, 保健管理センター, 非常勤講師 (10440356)

研究分担者 堀田 亮  岐阜大学, 保健管理センター, 准教授 (10733074)
山本 眞由美  岐阜大学, 保健管理センター, 教授 (40313879)
大西 秀典  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60381620)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード自閉症スペクトラム障害 / 注意欠如多動症 / CCAPS / メンタルヘルス / 大学生
研究実績の概要

発達特性のある大学生は修学や卒後の就職に問題を抱えることがある。これらの学生への早期支援に役立てるため、発達特性のある学生の頻度と精神的健康度の調査を行った。
2022年度入学後1か月以内の本学学部新入生を対象に、AQ(自閉症スペクトラム指数)とA-ADHD(成人期ADHD検査)、CCAPS(Counseling Center Assessment of Psychological Symptoms;大学生の精神的健康度指標で、点数が高いほど精神的健康度リスクが高い)を実施し、711名(20.36±2.17歳、男性330名、女性381名)のデータを解析した。
ハイリスク(カットオフ値を超えた)群として抽出されたのは、ASDあるいはADHDの群が61名(8.58%)で、その内ASDのみの群は23名(3.23%)、ADHDのみの群は34名(4.78%)、ASDかつADHDの群は4名(0.56%)であった。それ以外の学生を対照群とした。このハイリスク頻度は、学部や性別で差はなかった。CCAPSの飲酒以外の全項目(抑うつ、全般性不安、社会不安、学業ストレス、食行動、敵意、家族ストレス)で、ASDあるいはADHDハイリスク群及びADHDのみハイリスク群では対照群より有意に点数が高く、精神的健康度リスクが高かった。ただし、ASDのみハイリスク群では学業ストレスと食行動の項目で対照群と有意差を認めなかった。ASDのみハイリスク群とADHDのみハイリスク群の間では、CCAPS各項目点数に有意差はなかった。
発達特性を持つ大学新入生の頻度は8.58%と推察され、大学入学時からすでに不安やストレスなど精神的健康度リスクが高いことが明らかになった。
この研究結果については、令和6年5月30日に第66回日本小児神経学会で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究データのまとめと解析及び論理の方向性の検証に時間を費やし、論文投稿が予定よりも遅れてしまった。2024年1月31日にJournal of Autism and Developmantal Disordersへ投稿した。4月17日にジャーナルからの連絡があり、現在Revise作業中である。

今後の研究の推進方策

研究成果の第一報は、Journal of Autism and Developmantal Disordersへの掲載を目指している。さらに、2023年、2024年の2月に行ったCCAPSの結果を追跡し、更なる考察を行う予定ある。
大学では要支援学生を早期に発見し、早期支援に務めることが重要であることは明らかであるが、この研究により発達特性の傾向がある学生のメンタルヘルスの実際について、より詳細な結果が得られると考える。

次年度使用額が生じた理由

論文作成に遅れが生じていたため、雑誌投稿にかかる費用が次年度に繰り越された。また、新型コロナ等の影響で国際学会及び国内学会への参加を控えたため現在までの旅費にかかる費用が抑えられた。次年度以降に、複数の論文投稿及び学会参加を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 発達特性のある大学新入生の頻度と精神的健康度についての横断的研究2024

    • 著者名/発表者名
      足立 美穂
    • 学会等名
      第66回日本小児神経学会

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公開日: 2024-12-25  

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