研究課題/領域番号 |
22K02714
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
飯塚 誠也 岡山大学, 教育推進機構, 教授 (60322236)
|
研究分担者 |
森 裕一 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (80230085)
黒田 正博 岡山理科大学, 経営学部, 教授 (90279042)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | IRデータ / 尺度混在データ / 分析ツール / R |
研究実績の概要 |
本研究では,IR分野において,(1)尺度混在データに対する新たな分析方法,(2)視覚化,分析ツールの開発を目的としている。初年度に引き続き,分析手法の開発について,継続的に行った。また,(2)の課題に対応するような,膨大な量の集計,分析,視覚化処理を効率的に行う視覚化,分析のためのツールの開発に着手した。 (1)については,申請者が従来より研究している質的データに対する多変量解析について,手法を開発しその性質について確かめた。具体的には,IRデータにおいて重要な視点ともなる分類等を目指した手法の一つであるFuzzy Clusteringに関して検討を進めた。まず,ファジィc-平均法をvector εアルゴリズムを用いて加速化し,特に変数の数が多いデータに対してより効果的であることを確認した。また,質的データに対する数量化と次元縮約を伴ったファジィc-平均法を提案した。これは,数量化,次元縮約,クラスタリングの同時推定を可能とするもので,従来手法との比較で,数値実験により本手法の利点を確認した。今後については,これらの手法のIRデータへの適用を進めていく。 (2)については,ツールの開発には統計解析ソフトウェアRとそのパッケージを利用し進めることとしているが,教学IRデータでの利用を考慮したツールの開発に着手した。統計を専門としないIRにかかわる人材が容易に分析できるように,そのツールを利用することによりインタラクティブな表現や報告レポートの作成が容易になるようなユーザーフレンドリーなインターフェースを目指しているが,今年度は,そのために必要となる関数等について,従来から研究代表者らが実務で行ってきたプログラムを改良し,本ツールでも利用可能となるように順次修正を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【研究実績の概要】で述べた目的のうち,(1)の進捗についてはやや遅れているものの分析手法の開発等は順調である。(2)の視覚化,分析ツールの開発についてはやや遅れている状況となっている。なお、海外を含めた学会参加についても業務との調整がつかず、十分に行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度に開発した分析手法を実データへ適用し,応用可能性について検討する。さらにテキストを含んだ形のデータへの適用も進める。また,分析ツールの開発に ついては,プログラムの見直しを進め,インタラクティブなツールへの組み込みを進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究成果の学会発表や研究打ち合わせ(主に海外)の旅費を見込んでいたが,大学業務との調整がつかず出張を控えたことで,当初の計画通りに執行できなかった。次年度は当初の予定通り情報収集ならびに成果報告に係る出張旅費として使用予定である。
|