研究課題/領域番号 |
22K02723
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
森 茂久 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10190993)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 早期体験実習 / バーチャル早期体験実習 / バーチャル病院見学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、コロナ禍での対面授業に代わるバーチャル早期体験実習の経験から、学生の満足度が高く、教育効果が高いバーチャル早期体験実習の内容、臨 床場面を学生アンケートにより抽出し、それらの画像、動画を元に、VR (仮想現実)、AR(拡張現実)などの最先端IT技術を利用して、現実感覚に近い画像視聴と、さらに遠隔医療面接とシミュレータによる実技体験を組み合わせた、新しい複合型バーチャル病院実習を構築し、より教育効果の高い様々なバーチャル早期体験実習シリーズを創出することにある。令和4年度は文科省からの指導を受けて年度途中で本学の教育方針を見直し、遠隔授業としてバーチャルで実施していた実習を可能な範囲で、対面で実施するリアルの実習に戻す方針となり、3、4年次に複数回実施する早期体験実習としての診療科実習は、バーチャル実習をやめて、同一学年、同一授業内でのバーチャル実習とリアル実習を半々で行う形の教育研究の計画に変更が必要となった。令和5年度には新型コロナウイルス感染症が5類感染症になったことより、基本的に対面で実施するリアル実習に戻す方針となった。このため、同一学年、同一授業内で、バーチャル実習とリアル実習を半々で行う形の教育研究に変更が必要となった。1年次臨床入門ユニットの中で早期体験実習としての病院見学実習をバーチャルから完全にリアル実習に戻した。また3、4年次に複数回実施する導入クリニカルクラークシップ実習ユニットの中の診療科実習ではバーチャル実習から全てリアル実習に変更となったが、チーム医療実習は、全てをリアル実習とはせずに部分的にバーチャル実習を残してハイブリット実習とした。これら二つの実習について実施報告として学会で発表し、論文化した。他方、VR、ARなどのIT技術を基本的な理解を進め、その応用について他施設の専門家と相談しながら基礎的な検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度は文科省からの指導を受けて年度途中で本学の教育方針を見直し、遠隔授業としてバーチャルで実施していた実習を可能な範囲で、対面で実施するリアルの実習に戻す方針となった。このため3、4年次に複数回実施する早期体験実習としての診療科実習は、バーチャル実習をやめて、同一学年、同一授業内でのバーチャル実習とリアル実習を半々で行う形の教育研究の計画に変更が必要となった。このため倫理審査委員会への研究申請も準備していたが、途中で中断となった。令和5年度には新型コロナウイルス感染症が2類から外れて5類感染症になったことより、基本的に対面で実施するリアル実習に戻す方針となった。このため、同一学年、同一授業内で、バーチャル実習とリアル実習を半々で行う形の教育研究に変更が必要となった。1年次臨床入門ユニットの中で早期体験実習としての病院見学実習をバーチャルから完全にリアル実習に戻した。また3、4年次に複数回実施する導入クリニカルクラークシップ実習ユニットの中の診療科実習ではバーチャル実習から全てリアル実習に変更となったが、チーム医療実習は、全てをリアル実習とはせずに部分的にバーチャル実習を残してハイブリット実習とした。これら二つの実習について実施報告として日本医学教育学会で発表し、論文化して学術誌「医学教育」に発表した。VR (仮想現実)、AR(拡張現実)などのIT技術を基本的な理解を進め、その応用について他施設の専門家と相談しながら、基礎的な検討を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で重要なポイントの一つは、早期体験実習として行うバーチャル実習とリアル実習の比較を通して得られる実習の中の教育場面の抽出である。令和6年度の大学の教育方針は、令和5年度の方針を踏襲し、さらに完全に対面でのリアル実習とすることになった。教育方針に沿って変更された臨床系実習に合わせて、1、2年次でバーチャル実習で実施した病院見学実習、医師業務見学実習などと、その後3、4年次に実施する診療科実習、チーム医療実習などのリアル早期体験実習との比較など、過去に実施したバーチャル実習とリアル実習の比較を行うための研究計画を再検討中である。このような方針で計画を立案し、それを元に倫理審査委員会への審査申請の準備中である。VR (仮想現実)、AR(拡張現実)などのIT技術を利用した実習の開発については、他施設の専門家と相談しながら基礎的な検討を進め、応用を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度、5年度で、動画撮影、動画編集に関する機器の準備は整ったが、令和5年度は、本学の教育方針を再検討し、遠隔授業としてバーチャルで実施していた実習を取りやめて、基本的に対面で実施するリアル実習に戻すという方針となり、当初の教育研究の計画通りには実施できなくなった。新型コロナウイルス感染症は縮小傾向となったが、院内では散発的に感染クラスターが発生するため、様々な制限が加わり、病院内での動画撮影に遅れを生じた。このため動画編集で使用予定であった人件費・謝金の利用が計画通りには行かなくなった。また動画撮影、動画編集に遅れを生じたためVR (仮想現実)、AR(拡張現実)などを用いた実習開発がかなり遅れた。令和6年度は、再検討した研究計画に合わせて、ポストアンケート調査などからバーチャル実習とリアルの実習のポストアンケート調査の比較などを行い、本質的な実習場面を抽出する。状況が改善されれば動画撮影をさらに進めることになり、動画編集が必要となるため、人件費・謝金として利用する。様々な画像を組み合わせて、さらにVR (仮想現実)、AR(拡張現実)などを開発し、新たなバーチャル実習を準備する。
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