研究課題/領域番号 |
22K02730
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
上田 滋夢 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (90639022)
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研究分担者 |
萩原 悟一 九州産業大学, 人間科学部, 准教授 (30734149)
栗田 佳代子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50415923)
江原 謙介 阪南大学, 流通学部, 講師 (10962053)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 学生アスリート / デュアル・キャリア形成 / 学生支援担当者 / 学修支援担当者 / 学生支援者支援モデル / 学生支援者のための教育 / 大学院教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、学生アスリートの学業と競技の両立、すなわちデュアル・キャリア形成に関して、3つの視点からアプローチする。第1に、学生と支援担当者(競技指導者を含む)がそれぞれ抱える問題意識と課題。第2に、先行事例からデュアル・キャリア支援、そして支援者対象のトレーニング・プログラムとこれが整備されたプロセス。第3に、今後の日本の大学に適用できるデュアル・キャリア支援担当者のトレーニング・プログラムの開発と評価を行い、プログラム活用のための組織や体制づくりの提案・検証である。 2022年度(初年度)は支援者支援モデルの構築に向けて、2022年6月26日から7月2日にかけて研究代表者の上田滋夢と研究協力者の幸野邦男が海外事例の収集を行った。 NCAA(全米大学競技スポーツ連盟)加盟大学の大学競技スポーツ局長会(NACDA)主催によるコンベンションに参加した。本会の主軸は、学生アスリートのアカデミック能力とキャリア開発能力の向上の部会(N4A)であった。 N4Aの理事、カンサス州立大学のDr. Rubin氏他にヒアリング調査を行った。学生への厳格なGPA基準(放校基準)がNCAAにて決められており、さらに学生アスリートへは厳格に奨学金停止、トレーニング参加停止、チーム参加禁止の措置が決められていた。学生支援者の採用要件は大学院修了者であり、採用者全員が学生支援ならびに学修支援領域に関する専門知識、インターンシップ(合否在り)の経験を持っていた。すなわち、学生支援者支援プログラムは大学院教育であった。さらに、大学スポーツ局長と局次長(副局長)において、どちらかが学修支援の領域を担当する制度であった。同領域担当者は学生支援領域のPh.Dを取得していることが前提となっていた。そのため、学生支援担当者の大半が同関連領域のPh.D取得者か、同領域の博士課程に在籍していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度(初年度)は、支援者支援モデルの構築に向けて、2022年6月26日から7月2日にかけて研究代表者の上田滋夢と研究協力者の幸野邦男が海外事例の収集を行った。 NCAA(全米大学競技スポーツ連盟)加盟大学の大学競技スポーツ局長会(NACDA)主催によるコンベンションに参加し、N4Aの理事、カンサス州立大学のDr. Rubin氏他にヒアリング調査を行ったように、基礎研究に位置づけた海外事例としての北米の事例収集は、ほぼ研究計画通りに行われた。 国内調査については、UNIVAS、KCAA加盟大学を中心に、デュアル・キャリア支援担当者に対し支援プログラム、担当者のスキルとコンピテンシー、課題についての調査を行う予定であったが、学生支援部局がCOVID-19対応で多忙であった状況から鋭意可能な団体や大学においては行えたものの、当初の計画の半分程度となった。 学生に対してもUNIVAS、及びKCAA加盟大学を中心に、デュアル・キャリア形成の現状と学生からの支援ニーズの調査を行う予定であったが、学生支援部局を通じて行うために、上記のCOVID-19対応での多忙さにより実施は出来なかった。しかしながら、2023年度に入り、政府が感染症対策の規準を緩和することを発表したこともあり、各団体や学生支援部局からの協力は既に得ており、2023年度からの調査準備は整っている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の2023年度は海外事例研究によって得られた「効果的な支援者支援プログラム」と「日本の大学で適用可能なプログラム」を洗い出すことを行う。 上記の通り、国内調査は学生支援部局がCOVID-19対応で多忙であったこともあり、計画通りではなかった。そのため、2023年度に全面的な調査を実施する。 また、2023年度末には国内調査から得られた「実態」と「ニーズ」に合わせた支援者支援の成功モデルおよび支援者トレーニング・モデル案を検討する。尚、当初は2年分の国内調査から得られた「実態」と「ニーズ」を用いて中間報告をする予定であったが、調査の蓄積が十分ではないため、中間成果報告に関しては進展状況も鑑み、2024年度に行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
差額に関しては、国内調査に関して学生支援部局がCOVID-19対応で多忙であったこともあり、計画通りに調査が進まなかったためである。国内調査から得られた「実態」と「ニーズ」に合わせた支援者支援の成功モデルおよび支援者トレーニング・モデル案を検討するための費用として、研究分担者の2名は2023年度以降に使用する予定である。
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