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2023 年度 実施状況報告書

知的障害特別支援学校におけるデジタル・シティズンシップ教育の充実に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02736
研究機関宇都宮大学

研究代表者

齋藤 大地  宇都宮大学, 共同教育学部, 助教 (20878433)

研究分担者 水内 豊和  島根県立大学, 人間文化学部, 准教授 (30372478)
山崎 智仁  旭川市立大学, 経済学部, 助教 (10984099)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード知的障害特別支援学校 / 情報モラル / デジタル・シティズンシップ教育 / 情報活用能力
研究実績の概要

本研究では知的障害特別支援学校を対象として、①情報モラル教育の具体的な指導内容や指導方法などの実態と課題について明らかにすること、②明らかにされた実態と課題を踏まえ、デジタル・シティズンシップ教育の観点から系統的なカリキュラム及び教材を開発し、その有効性を評価することを目的とした。
①に関しては、令和4年度内に実施した全国の知的障害特別支援学校を対象にした調査研究の結果から、ICTそのもの自体及び情報モラルの指導に関する教師の知識・スキル不足や、児童生徒の実態差に応じた教材や指導方法などの開発が主な課題として挙げられていた。そのため、教師を対象とした研修プログラムや知的障害のある児童生徒に対応した情報モラルの指導のモデルとなりうるカリキュラムの開発が急務であることが明らかとなった。
②に関しては、複数の知的障害特別支援学校の小学部から高等部を対象として、情報モラルの指導に関する実践を行った。加えて、教員研修及び保護者研修についても一体的に実施することで、知的障害特別支援学校における小学部から高等部までを射程に収めた包括的な情報モラルの指導のあり方を検討することができた。
そのほか、研究の進展とともに、知的障害のある情報モラルに関しては単体の能力として捉えるのではなく、上位概念である情報活用能力の一部であると捉え、基本的な操作等とともに一体的に育成していく必要があると考えるに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数の知的障害特別支援学校から研究協力を得ることができたため、小学部から高等部までの情報モラルに関する多様な実践を収集することができた。その中で、知的障害特別支援学校における情報モラルの指導は、①情報活用能力の一部として捉え、他の能力とともに一体的に育成していく必要があること(活用型情報モラル教育)、②一斉指導と個別指導のバランスをとること、③児童生徒の実際の行動変容に結びつくこと、④家庭を連携を図ること、の4点が重要であることを見出すことができた。
また、多数の実践を令和4年度中に試案として作成したカリキュラムに照らし合わせることで、発達段階を横軸、情報モラルの指導の内容を縦軸とした表にまとめることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続き実践を積み重ねより良い教材や指導法を開発していくとともに、情報活用能力や情報モラルを専門とする研究者に協力を仰ぎ、カリキュラムのブラッシュアップを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度は研究成果の公開に関する1つの方策としてHPを立ち上げ、そこから開発した教材等をフリーでダウンロードできるようにする予定である。HP開設及び維持に関わる費用の値上げに伴い、使用額を計上した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 富附特支型デジタル・シティズンシップ教育の実践2023

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁, 齋藤大地, 水内豊和
    • 雑誌名

      メディア情報リテラシー研究

      巻: 4(2) ページ: 113-123

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 知的障害のある児童生徒に対する情報モラルの指導の実際-1人1台端末時代における善き使い手を目指す学び2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤大地, 関口あさか, 菱真衣, 山﨑智仁, 水内豊和
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 知的障害特別支援学校におけるデジタル・シティズンシップ教育-富山大学教育学部附属特別支援学校における取り組みから2023

    • 著者名/発表者名
      小林真, 北村満, 山崎智仁, 紺恵, 齋藤大地
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 知的障害のある子どもの対話型AI活用に向けた支援方法の検討-個の実態や障害特性に応じた教育実践を通して2023

    • 著者名/発表者名
      山崎智仁, 樋井一宏, 菱真衣, 和久田高之, 関口あさか, 後藤匡敬, 水内豊和, 齋藤大地
    • 学会等名
      日本LD学会第32回大会(広島)
  • [学会発表] 知的障害のある児童生徒の情報活用能力の縦断的変化2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤大地, 山崎智仁, 後藤匡敬, 水内豊和
    • 学会等名
      日本教育工学会2024年春季全国大会
  • [図書] はじめよう!デジタル・シティズンシップの授業ー善きデジタル市民となるための学びー2023

    • 著者名/発表者名
      日本デジタル・シティズンシップ教育研究会
    • 総ページ数
      110
    • 出版者
      日本標準
    • ISBN
      9784820807438

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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