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2023 年度 実施状況報告書

重症心身障害児の刺激受容に関するリアルタイム評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02738
研究機関新潟大学

研究代表者

渡邉 流理也  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (40750120)

研究分担者 宮地 弘一郎  信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40350813)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード重症心身障害児 / 心拍変動分析 / リアルタイム評価
研究実績の概要

本研究は重症心身障害児において、学校の授業時などでの刺激の応答性をリアルタイムに評価可能なシステムを開発することを目的としている。研究計画としては、まず応答性の評価指標について検討が必要であり、具体的には大学生を対象として課題遂行時の心拍変動分析から行動上のパフォーマンスと関連性が高い指標を明らかにし、評価システムを構築する。次に学校現場で実際に評価システムを運用し、重症心身障害児の刺激の応答性について検討する。さらに複数事例についても評価システムを運用し、運用手続き等の検討を行う予定にしている。
本年度は、大学生を対象として、課題遂行時の心拍測定を行い、課題遂行の行動パフォーマンスと心拍変動分析による心拍値との関連性を分析し、覚醒状態を評価する指標の検討を行った。具体的には、大学生16名を対象として、クレペリン課題遂行中の心拍測定を実施し、心拍変動分析を行った。1分間毎のクレペリン課題遂行時のHF/LF、平均心拍数などの心拍変動分析から得られた数値と、クレペリン課題の正答率、回答数などの行動上のパフォーマンスの関連について分析を行った。その結果、平均心拍数と行動上のパフォーマンスおいて一定の相関が見られたが、覚醒状態の評価指標としては不十分であった。そのため、重症心身障害児の刺激の受容しやすい覚醒状態の評価手続きについて、再度検討をする必要があることが確認された。次年度については、大学生を対象として覚醒状態の評価手続きを検討するとともに、重症心身障害児に合わせた評価手続きへの応用についても検討をしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、2022年度に続き、「大学生を対象としたリアルタイムでの刺激の応答性評価システムの運用」について検討を行った。その結果、評価指標についての再検討が必要となり、2024年度も引き続き評価指標についての検討を行うため。評価指標の検討後に、学校現場での運用を開始する予定にしている。

今後の研究の推進方策

大学生を対象とする課題については当初計画より遅れているため速やかに検討するとともに、重症心身障害児の在籍する特別支援学校では、その時の感染状況により、データの取得が困難になることがあるため、学校と十分に連携して実施計画を立てる予定である。

次年度使用額が生じた理由

健常大学生を対象とした課題の検討に時間がかかったため、複数事例を同時に測定するシステム構築に至らなかったため生じた。次年度は、複数事例を同時測定するシステムを構築のための機器等を購入する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 超重症児への視覚的注意の指導とその生理心理学的評価2024

    • 著者名/発表者名
      宮地弘一郎
    • 雑誌名

      人間学研究

      巻: 21 ページ: 93-100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Normalized Short-Term Conversations on Individuals with Severe Motor and Intellectual Disabilities: A Heart Rate Study2023

    • 著者名/発表者名
      MIYAJI KOICHIRO
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Physiological Psychology and Psychophysiology

      巻: 41 ページ: 141~153

    • DOI

      10.5674/jjppp.2316si

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 重症心身障害児の授業内での定位反応の生起様相ー働きかけの受容に関する情報を教員へフィードバックすることを通してー2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉流理也、山田綸
    • 学会等名
      日本特殊教育学会 第61回大会
  • [学会発表] 医療型障害児入所施設における音楽を用いた日中活動支援の実際~活用される楽曲とその目的を中心に~2023

    • 著者名/発表者名
      矢島卓郎、荏原順子、雪吹誠、渡邉流理也
    • 学会等名
      第48回日本重症心身障害学会学術集会
  • [学会発表] 3Dスキャナと3Dプリンタによる個人用脳波電極ホルダー制作の試み2023

    • 著者名/発表者名
      宮地弘一郎、蛭田直、 山下健、 堅田明義、 渡邉流理也
    • 学会等名
      日本生理心理学会第41回大会
  • [学会発表] Basic research on voice training game application for children with severe multiple disabilities: By the phasic heart rate responses2023

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Miyaji; Kanako Nakamura; Tsubasa Kinoshita; Akiyoshi Katada; Takanori Iwao; Maiko Okumura; Toshihal Kurita
    • 学会等名
      21st World Congress of Psychophysiology
    • 国際学会
  • [学会発表] 重症心身障害児(者)の主体的な運動発現のためのデジタルリハビリテーションの検討2023

    • 著者名/発表者名
      仲村佳奈子、宮地弘一郎
    • 学会等名
      第48回日本重症心身障害学会学術集会
  • [学会発表] 重障児の指導目標設定におけるアセスメントツール利用の検討―「MEPA-ⅡR分析シート」の作成と実践における効果と課題―2023

    • 著者名/発表者名
      丸山文恵、宮地弘一郎
    • 学会等名
      日本特殊教育学会 第61回大会

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公開日: 2024-12-25  

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