研究課題/領域番号 |
22K02776
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
増田 貴人 弘前大学, 教育学部, 教授 (20369755)
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研究分担者 |
大山 祐太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60711976)
時本 英知 新潟青陵大学短期大学部, 幼児教育学科, 准教授 (80461698)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 発達性協調運動症(DCD) / 視機能 / 生態学的視座 |
研究実績の概要 |
本研究について、前年度に取り組んでいた研究動向確認、ならびに実践につながる支援機会の場の整備をふまえて、2年目の研究に着手した。すなわち、幼児期・児童期の発達性協調運動症(DCD)のある児の視機能に焦点をあてた支援プログラムの開発をはかるものである。その際、研究協力児の日常生活に即した生態学的支援環境の維持を前提として考えることとした。 DCDが疑われる小学生児童5名で構成される小集団に、毎週1回、計30回程度、視機能の改善に焦点をあてて読み書きや視線の動きについての支援を試行的に実施したところ、成果とともにいくつかの課題も確認された。第一に読み書きのスキル自体は上達が確認され、読みのスキルの向上で文字から単語としてとらえられるようになると書字スキルも改善し書き間違いは減少した。第二に、支援における動機づけとして、即時のフィードバックが効果的に機能していた。第三に、視機能の改善については、見ることや日常の延長で楽しみながら取り組む課題を設定したことである程度の成績向上が確認されたものの、選択的注意や注意の持続の問題までは解決されなかった。 以上をふまえ、今後は支援プログラムの修正として、家族が支援することに焦点をあてた遠隔介入も視野に入れ、電話などの直接サポートも含む家庭との連携強化を含めていく可能性が検討された。これらの検討点は次年度の課題として残されており、それをふまえた研究のまとめにつなげていくことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が昨夏体調を崩したことにより研究の進展に遅れが生じた。下半期にその遅れを取り戻すべくペースを上げて研究遂行に努めたが、年度内にその遅れを解消するまでには至らなかった。しかし深刻な程度というまでではないため、最終年度で十分に遅れが解消できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(最終年度の予定)は、試行的に実施されたDCDのある児の視機能の特徴に合わせた支援プログラムの課題をふまえた修正、指導の分析と検証をすすめるとともに、研究成果の活用・報告を兼ねて現場でのワークショップ等及び意見交換を行っていくことで、指針等をふまえた現場での適用可能性を強く意識した検討を深めていく。 協力者の状況次第では、オンラインでの支援形態も探っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額の発生は、コロナ禍が収まりつつあるとはいえ活動に制限があり支援プログラムの実施回数が思うように取れなかったことに加え、旅費、特に海外渡航にほぼ支出できなかったことが大きい。他にも共同研究者の健康上の理由も重なったことで、計画と使用額に差が生じた。ただしこれらの問題は概ね解決しており、計画通り使用できる見込みである。
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