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2023 年度 実施状況報告書

自閉スペクトラム症者の周囲の他者としての障害理解と自己理解

研究課題

研究課題/領域番号 22K02777
研究機関岩手大学

研究代表者

滝吉 美知香  岩手大学, 教育学部, 准教授 (00581357)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード発達障害 / ASD / 自己
研究実績の概要

本研究は,自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; 以下ASDと表記)者の自己理解の様相を,周囲の他者としての非ASD者との関係性の視点をふまえてとらえることにより,双方のコミュニケーションや理解の促進につなげようとするものである。
研究は大きく①幼児期の集団場面,②児童期・思春期における学校教育場面,③児童期~成年期の日常コミュニケーション場面に分けられる。
①については,ASD児の在籍する幼稚園年中クラス(22名)を対象に収集したデータの分析を行った。現在,論文化作業を行っている。
②に関しては,ASDのある小学生一事例について,書字の困難さに対応した感想文の個別指導を行い,自己理解の変化や学校場面での適応状況の変容を併せて考察した。その内容を日本LD学会第32回大会にて発表した。現在,論文投稿中である。
③に関しては,昨年度収集および分析を行ったデータ(非ASD群:小学生96名,中学生197名,高校生138名,成人99名の計530名。ASD群:小学生2名,中学生4名,高校生15名,成人12名の計33名。)について,考察を行った。その内容を日本特殊教育学会第61回大会にて発表した。ASD者についてのデータ数には不十分さが残り,現在も継続してデータ収集作業を継続中である。
上述の研究を進めるにあたり得られた観点や知見を,編著書や大学講義および地域の学校や教育期間での講演等に反映させ社会還元を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①については,データの再分析と論文化を進めた。
②については,昨年度までに収集・分析したデータの一部を学会においてポスター発表(日本LD学会第32回大会)を行った。そこで得られた議論や意見を反映させ論文を作成・投稿し,現在査読中である。また,国公立小学校3校からの協力を得て,3~4年生約300名を対象に,新たなデータ収集を行った。
③については,学会でのポスター発表(日本特殊教育学会第61回大会)を行った。ASD群のデータ数が不足しているため,引き続き収集中である。
研究を進めるにあたり得られた観点や知見を,編著書「発達障害と出会うとき:事例と研究知見から考える自己理解と支援」に反映した。
以上より,研究全体の進捗状況としては(2)おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

①については,引き続き論文化の作業を進める。
②については,査読の結果に応じて論文の修正を行う。同時に,新たなデータの分析とまとめを行い,学会発表を予定している。
③については,引き続きデータ収集を進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 特別支援学校「校内初任者研修」を運営する指導教員の校内調整2024

    • 著者名/発表者名
      菅原裕子・滝吉美知香・佐々木 全
    • 雑誌名

      日本学校心理士会年報

      巻: 16 ページ: 61-71

    • 査読あり
  • [学会発表] 「気まずさ」場面理解の発達と特徴(1)小学生から成人までを対象とした発達的検討2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木大輔・滝吉美知香・田中真理
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 「気まずさ」場面理解の発達と特徴(2)自閉スペクトラム症者を対象とした検討2023

    • 著者名/発表者名
      滝吉美知香・鈴木大輔・田中真理
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 書字に困難さのある自閉スペクトラム症児に対する自己調整方略学習モデル(SRSDモデル)を用いた感想文の個別指導2023

    • 著者名/発表者名
      小林美奈子・滝吉美知香
    • 学会等名
      日本LD学会第32回大会
  • [図書] 発達障害と出会うとき:事例と研究知見から考える自己理解と支援2024

    • 著者名/発表者名
      田中真理・滝吉美知香
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      慶應義塾大学出版会

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公開日: 2024-12-25  

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