研究課題/領域番号 |
22K02790
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
榎本 拓哉 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (90792713)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経発達症 / 幼稚園支援 / Tele-Health / ビデオフィードバック / 遠隔地支援 / 校内支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、幼稚園を専門的発達支援のスタートアップ・ポイント(導入)として位置付け、Tele-HealthとVideo-Feedbackを併用した神経発達症群 (Neurodevelopmental Disorder:以下ND)児を養育する保護者への継続可能な支援パッケージを開発し評価することを目的としている。令和5年度の研究計画では,前年度に保護者に実施したビデオフィードバックシステムを幼稚園・保育園に提供し,支援者の熟達化の促進を評価することを目標として実験を実施した。実際には,(1)保育園・幼稚園で遠隔支援面接パッケージの実施、(2)遠隔支援による教員・保育士の支援技法の熟達化の評価、(3)カンファレンスの実施による園全体への波及効果の検討,以上の3点を達成した。具体的には,ND児が在籍する幼稚園・保育園6園に対して,遠隔支援パッケージをのべ28回実施し,面接中の児童への発言内容,保育・教育に関するストレス(保育士ストレス尺度),相談対象児童の発達変化(Vineland-2発達検査)のデータを収集した。 この結果は,2023年国際行動分析学会,日本特殊教育学会第61回大会で成果報告を行い,発達障害支援システム学会に論文を投稿中である。さらに,令和6年度を計画していた『協働的支援を促進する保護者-幼稚園の連携支援(包括的支援システムの構築研究)』の派生として,公立高等学校の校内支援委員会に対して同様の支援パッケージを提供し,特別支援委員会での教員の発言内容の変化,校内支援体制の変遷についても,量的・質的データとして測定・収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度に予定していた遠隔支援カンファレンスを実施することができた。更に,派生的な研究として公立高校への適用についても,研究体制の構築とデータ収集を行うことができた。以上から,本研究プロジェクトは当初の計画通りにおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,当初の計画通りに『遠隔技術を利用した協働的支援システムの維持支援(包括的支援 システムの継続可能性の評価』を行う。加えて,本年度に派生的に実施した『公立高校への遠隔支援プログラムの適用と評価』も継続して行い,社会実装の可能性を検討していく。本年度に収集したデータは,令和6年の日本特殊教育学会,LD学会にて発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アウトカムの測定に使用する心理検査の購入部数が予定より少なくなったため残額が発生した。残額については,最終年度の評価測定のための心理検査の購入に充てる予定である。
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