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2023 年度 実施状況報告書

問題解決の縦糸・横糸モデルと新・逆向き設計に基づくカリキュラム開発方法論の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K02802
研究機関東京工業大学

研究代表者

松田 稔樹  東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (60173845)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードNeo教育工学 / 縦糸・横糸モデル / 新逆向き設計手法 / カリキュラムマネジメント / 教師教育 / ゲーミング教材 / 問題解決力 / 市民教育
研究実績の概要

本研究は、「問題解決の縦糸・横糸モデル」に基づき,SDGsなどの政策やサービスを評価できる市民の育成を目標とし,「新逆向き設計手法」に基づいて各教科のカリキュラムを設計・改善する方法を提案する。そして,これにより,「あらゆる社会問題を教育手段で解決する学問」と捉える「Neo教育工学」の研究目的が達成可能かを問う。
2023年度は、2022年度に実施した教職課程における複数授業を連携させた新逆向き設計の指導を改善して実践した。また、そのために、高校生向けの数学および理科の新たな探究的活動用教材を開発・実践した。さらに、実践結果をふまえ、当該教材を模擬授業としてシミュレーション体験させながら、従来の教科ベースの単元指導計画を改善し、問題解決力を育成するための教科カリキュラムを設計させるための仮想授業ゲームを開発し、実践した。上述の教職カリキュラムでは、最後に、学生に新逆向き設計手法を用いて探究的活動用のゲーミング教材を開発させ、高校生対象に実践して、教育研究論文としてまとめさせる活動も行っている。その活動の中で、生徒の学習履歴を分析し考察することが、授業やカリキュラム改善の鍵であり、それを支援するためのログ解析ツールも開発して、学生に提供した。
教職課程での実践は、数学や理科が中心であるが、新逆向き設計によるカリキュラム改革を進め、「あらゆる社会問題を教育手段で解決する」ことを目指すには、より多くの教科の学習成果を総合する必要がある。そのために、公民科や情報科向けのSDGsを題材とした探究的活動を設計し、その前提となる年間指導計画・教科カリキュラムも検討した。
実践の効果を評価するのは現状では難しい。学生は、テスト学力を身につけているが、SDGsの問題解決に必要な力は思った以上に不足している。これを解消するための方策を見つけることが、本研究の成果を左右すると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、①複数のSDGsのテーマについて「総合的な学習の時間」の活動を設計、②「新・逆向き設計」でそれらのサブ課題を扱う各教科の探究活動や教科の単元指導計画を設計、③以上を「問題解決の縦糸・横糸モデル」として整理、④実践や効果検証のためのゲーミング教材を開発、⑤効果検証、というサイクルで研究を進めている。2022年度は数学科と理科を中心に,2023年度はそれらを改善・拡張しながら、公民科や情報科を加えて教材開発を行った。また、教師教育における本質的課題も明確になった。最終年度は、その本質的な問題の解決に向けた改善に焦点化して研究を進めることができる。

今後の研究の推進方策

最終年度は、教師教育における本質的な問題の解決に焦点を当てて研究を行う。基本的には、当初計画通りに進めることで目的が達成されると想定している。

次年度使用額が生じた理由

残額は、数万であり、旅費が為替変動により、やや安く済んだためである。
最終年度の使用計画は既に立てており、2023年度の残額は国内旅費として使用し、全体としては、ソフトウェアライセンス更新料、学会発表のための旅費と参加費、英文校正費を中心に、予定通り使用する。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] 新逆向き設計に基づく情報Ⅰ「総合演習」の設計と年間指導計画2023

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹
    • 雑誌名

      Informatio

      巻: 20 ページ: 9-16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 2022年度東京工業大学「数学科/理科教育法実践演習Ⅰ・Ⅱ」における教育実践研究の指導と高大連携の試み2023

    • 著者名/発表者名
      永原健大郎, 松田稔樹
    • 雑誌名

      Informatio

      巻: 20 ページ: 17-22

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A Virtual Lesson Game for Improving the Unit Instructional Plan of Regular Lessons in Mathematics, Based on the New Backward Design Method2024

    • 著者名/発表者名
      Toshiki Matsuda
    • 学会等名
      22nd Hawaii International Conference on Education
    • 国際学会
  • [学会発表] 新逆向き設計に基づく数学Ⅰの単元指導計画作成を指導する仮想授業ゲームの開発2024

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹
    • 学会等名
      日本教育工学会2024年春季全国大会
  • [学会発表] A Virtual Lesson Game to Instruct the New Backward Design Method for Improving Exploration Activities and Regular Lesson Plans of Science2023

    • 著者名/発表者名
      Toshiki Matsuda, Tomoaki Asano
    • 学会等名
      Ed-Media 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Developing a Tool to Analyze Gaming Instructional-Materials Logs Designed using the Warp and Woof Problem-solving Model2023

    • 著者名/発表者名
      Toshiki Matsuda
    • 学会等名
      Ed-Media 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 新逆向き設計に基づく社会の見方・考え方を学ぶゲーミング教材の提案2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤 信一, 北原裕子, 中野沙恵, 松田稔樹
    • 学会等名
      日本シミュレーション&ゲーミング学会秋期全国大会
  • [学会発表] 新逆向き設計に基づく理科探究活動用サンプルゲーミング教材の開発2023

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹, 近藤千香
    • 学会等名
      日本シミュレーション&ゲーミング学会秋期全国大会
  • [学会発表] 教職課程の複数科目を連携させた新・逆向き設計指導の改善2023

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年秋季全国大会
  • [学会発表] 教職課程履修生の教科の見方・考え方に対する認識2023

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹
    • 学会等名
      日本科学教育学会第47回年会
  • [学会発表] 理科「探究活動」設計上の要点を理解させるゲーミング教材例の検討2023

    • 著者名/発表者名
      松田稔樹
    • 学会等名
      日本シミュレーション&ゲーミング学会春期全国大会

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公開日: 2024-12-25  

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