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2023 年度 実施状況報告書

アクティブラーニングとe-learningによる児童用防災教育カリキュラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K02810
研究機関東京都市大学

研究代表者

森 博彦  東京都市大学, 情報工学部, 教授 (10247124)

研究分担者 岡 誠  東京都市大学, 情報工学部, 講師 (20453946)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード防災教育 / ハザードマップ / 認知地図 / 発達過程 / アクティブラーニング / e-learning
研究実績の概要

これまで、防災教育のカリキュラムを作成、コロナ禍期を挟んで新宿区立愛日小学校で総合科目の一環として授業をおこなった。具体的には、1回目では地震や水害の一般的な防災の知識を座学で教えた。その後、数名ずづの班に分かれて、児童自らが災害があった際の危険箇所を探し、写真を取ることと、それがなぜ危険なのかをメモにとるという、フィールド調査を行った。その後、教室に戻り、このカリキュラム用に開発したタブレット端末用アプリケーションに入力をおこなった。次の授業ではすべての班で入力したデータを統合し、他の班の視点を共有した。その結果を踏まえ、再度フィールド調査を行った。それらをプレゼンテーション形式にまとめ、本年は各班が父兄や新宿区長の前で発表をおこなった。その結果、児童の防災意識の高まりと防災時の自助のための防災行動の方法が大きく広がることがわかった。
この研究のもう一つの目的である児童の認知地図の発達プロセスを調べるために、児童とその保護者に手書き地図を作成してもらった。描いてもらう範囲は年により手探りで変えているが、本年度は学校から自宅方向とは全く違う範囲にフィールド調査に行ってもらい、その範囲について、フィールド調査前後に手書き地図を2度描いてもらった。その結果、フィールド調査前はほぼ地図が描けない児童が多かったが、フィールド調査後にはかなり正しい地図を描けるようになっていた児童も多く、目的を持った街散策が認知地図の発達に貢献することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究で、作成した防災カリキュラムの有用性が認められた。特に、フィールドワークにおいてはじめは児童が独自の視点で探し、その後、他の児童の視点を共有、もう一度フィールドワークに行って共有した視点を体験することで防災行動様式が広がることがわかり、2回フィールドワークを行うカリキュラムの有効性がわかってきた。
認知地図も、何らかの目的や意識を持って散策することで、発達することがわかり、認知地図の発達過程も少しずつ明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

来年度は防災の座学では、多くの映像を使用したり、事前模擬体験を行うことで、フィールドワークへどのような影響を与えるかを調べる予定である。また、模擬体験とフィールドワーク、フィールドワークとフィールドワークによってどのように認知地図の変化があるかについても調べる予定である。
また、児童によって認知地図の発達度合いが同学年であってもかなり違うため、その違いは何から起こるのかも調査する予定である。

次年度使用額が生じた理由

座学で映像を見せるためのヘッドマウントディスプレイ(児童には装着させず、少し距離を取って見せるため)の日本での発売が遅れ、期間内に購入できなかったためである。
当該物品は次年度購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A Study on Qualitative Comparison of Mental Maps Between Elementary School Students and Adults2023

    • 著者名/発表者名
      Makoto Oka, Yasushi Komura, Hirohiko Mori
    • 雑誌名

      HCI International 2023- - Late Breaking Papers

      巻: 7 ページ: 217-227

    • DOI

      10.1007/978-3-031-48060-7

    • 査読あり
  • [学会発表] A Study on Qualitative Comparison of Mental Maps Between Elementary School Students and Adults2023

    • 著者名/発表者名
      Makoto Oka, Yasushi Komura, Hirohiko Mori
    • 学会等名
      HCI International
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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