研究実績の概要 |
2022年3月に群馬大学共同教育学部附属小学校で1年生、2年生の算数の授業を対象に紙を用いた授業とタブレット端末を用いた授業とで比較実験を行った。129名の児童を多角的に撮影したビデオデータに対してプロトコル解析を行った。 授業での課題が1年生向けのものであったため、1年生 (2クラス) を対象にデータを再分析を行った。結果として、タブレットを用いた授業では深い考察が促進されない結果が導かれた。その要因は、タブレットでは意図しない振る舞いが発生して児童の集中が阻害されること、考えることよりも絵を描くことに専念してしまいがちなこと、ペア作業でのコミュニケーションが促進されないことが明らかになった。これをもとに、子どもに集中してじっくり考えさせるのは紙の資料のほうが望ましいという紙とデジタルの使い分けの指針を導いた。 その結果は、電子情報通信学会研究会として発表し、詳細を学生の卒業論文としてまとめた。現在、英文ジャーナルに投稿中である。 〇 小林 眞夢, 長谷川 彩乃, 安藤 裕, 小泉 健輔, 澤田 麻衣子, 柴田 博仁: 初等教育でのタブレット端末の評価: 算数授業での行動ログ分析. 電子情報通信学会, 信学技報, Vol.123, No.226, ET2023-21, pp.19-26 (2023年10月). 〇 小林 眞夢: 初等教育でのタブレット端末の評価 ―算数授業での行動ログ分析―. 群馬大学 社会情報学部 2023年度卒業論文 (2024年2月).
|