研究課題/領域番号 |
22K02868
|
研究機関 | 東京国際工科専門職大学 |
研究代表者 |
上條 浩一 東京国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (10881998)
|
研究分担者 |
鈴木 雅実 東京国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (50395141)
島崎 みどり (菅谷みどり) 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50434288)
大関 和夫 東京国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (90317363)
塩尻 亜希 (斎藤亜希) 東京国際工科専門職大学, 工科学部, 助教 (00883357)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 集中度 / 脳波計 / 脳波測定 / 授業構成 / 教師の行動 / 学生の行動 / 画像認識 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学での授業の動画像と授業中の学生の生体情報を用い、学生の集中度等を変化させる教師の行動(例:言動、教材、授業構成)を特定するシステムを開発し、それにより、学生の学習意欲、及び、学習効果を向上させることである。 令和4年度においては、pythonの補講授業を通して、3~6人の学生にヘアバンド型脳波計(muse-2)を装着させ、授業の構成や教師と、学生の集中度の関係の解析を行った。 令和5年度においては、主に、授業中の学生の動画と集中度の関係、授業以外のイベントにおける集中度(能面を観測したときの集中度の変化)、10人の学生に対する、1人4回、合計40回の個人授業(英語)における集中度の変化、および、学生がプレゼンテーションを行う際のオーディエンスの集中度の測定を行った。集中度は、脳波計から観測されるα波とβ波の割合(β/α)とした。 その結果、画像として収録した45時間の模擬授業から学生の表情の「笑い」,「眠気」,「PC 作業」,「凝視」の 4種に関して、face shieldのマスクを着けている状態でも、96%の精度で表情の認識が可能であること、能面に額縁をつけて鑑賞してもらうと集中度が高くなること、英語の個別指導では、集中度は授業前後のテスト時に高く、特に授業後のテストで学生がもっとも脳が活性化していること、および、学生のプレゼンテーションにおいては、質問とジョークが取り交わされているときに、オーディエンスの集中度が一番高くなることが判った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である、学生の集中度等を変化させる行動を、大人数で行う授業だけでなく、個別指導、および授業以外のイベントにおいても具体的に特定できたため、おおむね順調との判断に至った。 研究実績の概要の所で述べた通り、個別指導においては、大人数の授業時とは異なり、授業前後のテスト時に集中度が高くなることが確認できた。令和4年度、5年度の結果を今後の授業へ反映させていきたい。 結果的に、国際学会論文2本(全て査読あり)、国内学会5本(全て査読なし)の発表を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、今まで行った研究成果をもとに、マルチモーダル(画像、音声、テキスト、脳波)で、教師の行動と学生の集中度との関係の解析を行いたい。また、集中度だけでなく、教師の行動と成績との相関、学生の性格が集中度、成績に与える影響の解析も行いたい。 さらに、これらの結果を模擬授業等に反映させ、その効果を確認したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19、および円安等の理由により、海外での学会発表、および他大学訪問が少なく、謝金等の支払いが無かったため、差額が生じた。
|