• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

Society5.0を生き抜くための力を涵養するデータサイエンス教育の実践研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K02878
研究機関旭川工業高等専門学校

研究代表者

笹岡 久行  旭川工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (30333272)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード工学教育 / AI / 数理データサイエンス / 教育効果のアセスメント / デジタル人材
研究実績の概要

本研究はSociety 5.0社会で活躍するための力を持った学生の育成のため,① 数理データサイエンス分野の教材の開発,② さらには,その教育効果を確認するための涵養する数理・データサイエンス分野の教育アセスメントを行う。従前,大学生を対象とした数理・データサイエンス教育の取り組みは行われているが,本研究は18歳以下の学生も含めた高等専門学校を主な対象としている.
初年度の取組は,順調に進んでいる.主な成果としては,初学者向けの教材を行った.特に,この分野を苦手としがちな非情報系の学生にとっても難しくならないような配慮をし,高等専門学校1年生でも理解が可能なレベルでのプログラミングまでも取り扱っている.そして,小規模ではあるがアセスメントのめの択一式の問題も作成ができ,トライアルで試験も実施した.さらに,単に試験の成果を収集するに留まらず,教材を利用した学生へのアンケートも実施した.
今年度の取組については,その成果の一部について報処理学会の全国大会や国際会議などの学術会議の口頭発表の機会にて発表を行った.さらには,教育実践活動の内容や学生へのアンケートの取りまとめ結果については,高専学会の論文誌などにおいて一般論文として公表を行っている.
次年度以降の研究計画としては,教材の高度化を進め,アセスメント方法についてもさらなる検討を行う予定である.また,その展開においても客観性を持つためになるべく多くの教育データの収集ができるようにする予定である.また,今後も積極的に学術会議での成果発表を行い,さらには可能な限り論文誌での論文の公表を目指す予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

取組の初年度としては,おおむね順調に進めている.
本研究は,高等専門学校の学生(15歳~)を主な対象と考え,数理データサイエンス分野に関わる教材開発とその実践,それらの能力に基づいた問題発見解決型の演習等の教育パッケージを開発す.そして,そのような知識をベースとして実践教育を継続的に行うことで,教育に関わるデータを蓄積・分析し,そのデータに基づいて教育アセスメントを展開する.
今年度は,この取組の中でリテラシレベルの教材開発に注力した.具体的な成果としては,初学者向けの教材の開発およびそのアセスメント用の択一式問題の作成ができた.そして,小規模ではあるが教育実践として展開をした.また,教育効果については,単に試験の成果を収集するに留まらず,アンケートも実施した.アンケート結果では,おおよそ半数の学生が「よく理解できた」あるいは「理解理解ができた」との回答をしていた.その一方で,情報系学科の学生の約4割は「半分くらい理解できた」との回答があり,難易度や内容の精査が必要であることが明らかになった,これらの成果については,情報処理学会全国大会(2023年3月)などにおいて口頭発表を行った.
もし,当初予期していないことが起こることが発生した場合,連携関係のある他の高等専門学校の教員や外部団体・企業に助言や助力を求め,研究に停滞が生じないようにする予定である.

今後の研究の推進方策

取組の2年目は,教材の高度化を行う.具体的には,大学等の数理・データサイエンス・AI教育強化コンソーシアムが定めるモデルカリキュラムの応用基礎レベルにおける範囲の教材開発を行い,Learning Management System(LMS)に実装する計画である.また,教育実践を進め,教育用データ収集を継続する予定である.
そして,単に教育用データ収集に留まらず,その有効性の評価を目的としたアセスメント方法についても検討を行う予定である.客観性を持つために可能な限り大量かつ多様性を持つ教育データの収集を行う予定である.また,評価のためのWeb上にておいて実施可能な試験問題の作成も継続する.また,これを遂行するために,高性能な計算機環境が必要となり,初年度は実施できなかった研究基盤整備も遺漏なく,計画通りに進める予定である.
想定される課題として,データの客観性を保つためのデータ量と多様性の問題が残る.まずは,可能な範囲で全国の高等専門学校へ協力を依頼する予定である.さらには,近隣の高等学校にも協力を依頼し,今後の教育実践とアセスメントの展開を行うことも検討している.
さらに,2年目の研究成果に関しても,国内での学術会議や研究会はもとより,海外において開催される国際会議においても成果発表を行う計画である.その後,それらを取りまとめ,可能な限り論文誌での論文の公表を目指す計画である.

次年度使用額が生じた理由

教育実践の展開し,アセスメントを目的とした試験の実施までは行えた.しかし,その効果に関する結果の分析までは取組が進まず,大規模な計算を行う段階までは研究を進めていない.そのため,機械学習を行うための高性能な計算機の購入を翌年度以降に行い,研究を飛躍的に推進する計画である.さらには,クラウド上のサービスを効果的に導入し,より高精度な学習モデルの構築を目指す計画である.
また,研究成果を積極的に公開していく予定である.社会情勢を鑑みながら,旅費を積極的に活用し,国内や国外での学術会議へ参加し,数多くの研究発表を行う予定である.単に成果の共有だけではなく,同じ分野の研究者からの助言を受け,最新の研究についても知見を深めていくことを考えている.
令和4年度は教材作成などに多くの時間を要したため,謝金を支出した取組を展開するには至らなかった.今年度は取組を進め,謝金を活用し,データ収集なども積極的に展開する計画である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 旭川工業高等専門学校における数理・データサイエンス分野に関する教育実践2022

    • 著者名/発表者名
      笹岡久行,松原英一,中村基訓,篁耕司
    • 雑誌名

      高専学会論文誌

      巻: 27 ページ: 3,6

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Considerations for Learning Model of Machine Learning in the field of Learning Analytics2023

    • 著者名/発表者名
      Masashi Gorobe, Hisayuki Sasaoka
    • 学会等名
      2023 4th International Conference on Advances in Education and Information Technology
    • 国際学会
  • [学会発表] 旭川高専におけるAI・数理データサイエンス分野の初学者向け教育実践の取組について2023

    • 著者名/発表者名
      笹岡久行,佐藤直飛,松原英一,中村基訓,篁 耕司
    • 学会等名
      情報処理学会第85回全国大会
  • [学会発表] 教育データ分析における異なる機械学習モデルの比較実験2022

    • 著者名/発表者名
      五郎部誠士,笹岡久行
    • 学会等名
      ファジィシンポジウム2022
  • [学会発表] 「北海道からデータサイエンス教育の今後に迫る!」2022

    • 著者名/発表者名
      笹岡久行
    • 学会等名
      コンピュータ利用教育学会 PCカンファレンス北海道2022
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi