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2023 年度 実施状況報告書

プログラミングと技術の歴史をつなぐ超集積化トランジスタものづくり教育工学と評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K02909
研究機関有明工業高等専門学校

研究代表者

石川 洋平  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (50435476)

研究分担者 石橋 直  福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80802842)
清水 暁生  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (90609885)
野口 卓朗  有明工業高等専門学校, 創造工学科, 講師 (20805626)
堀田 孝之  有明工業高等専門学校, 技術部, 技術長 (80450146)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードサーキットデザイン教育 / 半導体・集積回路 / 集積回路設計CAD / メタバース / eスポーツ / ミクロなものづくり
研究実績の概要

近年の「半導体」関連産業の盛り上がりは著しく、「プログラミング」「超集積化トランジスタものづくり」「教育工学」を研究課題名に据える本研究への期待が急激に高まっている。本研究では次の3つを念頭に実施している。(1)サーキットデザイン教育の環境構築 (2)サーキットデザインCADを意識したプログラミング教育 (3)オーダーメードでミクロなものづくり体験の提供。本年度の実績は、昨年度開発した1.紙ベース教材 2.メタバース・eスポーツ教材 3.本物の集積回路設計CADを用いた教材を活用し、高専(教職員研修を含む)および、小中学校、特に今年度は工業高校でのサーキットデザイン教育・講演を多数行ったことである。サイエンスコミュニケーション・アウトリーチ活動を研究の軸に据えつつ、産学連携でのICチップ試作環境の構築にも着手している。半導体・集積回路教育のハードルは3つあり、NDA(Non-Disclosure Agreement)・PDK(Process Design Kit)・EDA(Electronic Design Automation)である。どれが一つ欠けてもマイICチップをつくることが現実的なものとならない。従って、本年度は産学連携により力を入れて解決を図った。本研究に関連する学外発表は「集積回路設計教育および教材開発」に関して11件行った。※「サーキットデザイン教育」とは半導体・集積回路技術の多世代・早期教育手法の総称として、プログラミング教育が公教育に普及したように、回路設計が次代を支えるミクロなものづくり教育の鍵として取り入れられ、色々な方々に親しみを持っていただこうという想いで研究代表者の石川が定義した言葉である(サーキット=回路、デザイン=設計⇒サーキットデザイン)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に引き続き「(1)サーキットデザイン教育の環境構築」に力を入れている。テキストマイニング・アイトラッキングによるノウハウ蓄積に関しては着手が遅れているが複合的に実施予定である。本取り組みでは、「サーキットデザイン教育」という言葉を旗印として、公教育(初等・中等・高等教育)で活用できる教材を開発し、学内外を含めて1年間で2000人を超える方に体験していただいた。特に、近隣の佐賀県においては、工業高校にて半導体に関する教育講演を行い、確かな手応えを得た。教育工学の鍵は技術を教育へつなげることであり、近年、話題の「半導体」という言葉を技術・製造・設計の代名詞として異分野との相似系として教育をすることで、半導体や集積回路の専門外の方々にも能動的に語ってもらえるような環境ができつつある。

今後の研究の推進方策

「サーキットデザイン教育」という言葉を多くの方々に使って頂く機会が増えてきており、裾野を広げるためのティーチング教材を作成する必要性が出てきている。また、ソフトウエアのプログラムが個々で作れるようになったように、集積回路・ICチップもオーダーメード集積回路として子供たちがマイICチップという実感を持って設計・試作できる環境提供を模索する。ミニマルファブでの試作教育に関しても近隣の高専と連携して教育手法に関して検討を行う(場合によっては、現在進行中の共同研究との連携を図り近隣企業の設備を活用させていただき、より実践的な実習を提供することも検討する)。サーキットデザイン教育は産学連携とも相性が良く、有明高専で培った設計関連の教育教材をプラットフォーム化することによって、産官学民金連携の好事例にもなりえると考えている。また、設計者の振る舞いをアイトラッキングや文章で特徴抽出することも検討する。匠の技としてデータベース化することを目標としているが、むしろ、より多くの子供たちにリーチすることを優先とする方が重要であると判断した場合は、概要で記した(1)(2)(3)の取組割合を変更する可能性もある。

次年度使用額が生じた理由

昨年に引き続き、半導体・集積回路関連の経済的な盛り上がりもあり、外部資金による円滑なIC試作とCADの利用が可能となり、かつ、産学官民連携でサーキットデザイン教育普及活動も推進できたため、次年度への繰越が発生した。本研究の発展として、更に高度なメタバースやLMS・CMSなどのオンラインプラットフォームでの新たな協調教育を考えており、開発や研究にかかるコストが今後大きくなる見込みである。したがって、繰越を次年度予算に加えた計画的な執行を行う予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (11件)

  • [学会発表] LSI設計者教育のための基板熱伝導測定2023

    • 著者名/発表者名
      伊東舜, 山田恭一, 清水暁生, 石川洋平, 野口卓朗
    • 学会等名
      令和5年度(第14回)電気学会九州支部高専研究講演
  • [学会発表] 統合設計人材育成のためのオーディオアンプおよびスピーカー製作2023

    • 著者名/発表者名
      清水 暁生, 木藤 真理子, 野口 卓朗, 石川 洋平
    • 学会等名
      令和5年度電気学会九州支部沖縄支所講演会
  • [学会発表] ゲート幅自動計算プログラムによるオペアンプ設計の効率化2023

    • 著者名/発表者名
      待鳥維吹, 岡本直樹, 野口卓朗, 清水暁生, 石川洋平
    • 学会等名
      IEEE主催2023年度第1回「学生研究発表会」
  • [学会発表] シミュレーションに依存しすぎないオペアンプの手計算設計2023

    • 著者名/発表者名
      岡本直樹, 待鳥維吹, 野口卓朗, 清水暁生, 石川洋平
    • 学会等名
      IEEE主催2023年度第1回「学生研究発表会」
  • [学会発表] 3次元化のための集積回路レイアウトデータの解析2023

    • 著者名/発表者名
      坂本悠太, 田添和真, 野口卓朗, 石川洋平
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第36回九州支部大会講演要旨集
  • [学会発表] 集積回路レイアウトデータのメタバースへの展開2023

    • 著者名/発表者名
      田添和真, 坂本悠太, 野口卓朗, 石川洋平
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第36回九州支部大会講演要旨集
  • [学会発表] 数式処理ソフトを活用した演算増幅回路の周波数特性に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      小原悠聖, 待鳥維吹, 野口卓朗, 清水暁生, 石川洋平
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第36回九州支部大会講演要旨集
  • [学会発表] アナログLSI 設計者育成のための子供向け工作教室2023

    • 著者名/発表者名
      清水暁生, 野口卓朗, 石川洋平
    • 学会等名
      電気・情報関係学会九州支部連合大会・講演論文集
  • [学会発表] 統合設計技術者育成を目的とした音響解析に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      山田恭一, 清水暁生, 野口卓朗, 石川洋平
    • 学会等名
      2023年度(第31回)電子情報通信会九州支部学生会講演会・講演論文集
  • [学会発表] 初学者向けアナログLSI測定環境の検討2023

    • 著者名/発表者名
      竹田誉也, 清水暁生, 野口卓朗, 石川洋平
    • 学会等名
      2023年度(第31回)電子情報通信会九州支部学生会講演会・講演論文集
  • [学会発表] Possibilities of Semiconductor and Integrated Circuit Design Education for Early Age and Multiple Generations2023

    • 著者名/発表者名
      Yohei Ishikawa
    • 学会等名
      2023 International Conference on Electronics Packaging

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公開日: 2024-12-25  

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