研究課題/領域番号 |
22K02931
|
研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
古賀 浩二 西九州大学, 健康栄養学部, 教授 (90295022)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | AI / データサイエンス / フィルタリング / 表計算ソフトウェア / 学習教材 |
研究実績の概要 |
3年計画研究の初年度である。 ○計算機の購入。年度終盤ではあるが、予定していた備品の購入として、深層学習などでも利用可能なGPUを搭載したデスクトップ型のコンピュータを購入し、研究に利用している。 ○表計算ソフトウェアなどに実装するための機能として、現在本学で行っているDSやAI関連の授業から、その内容を検討する予定としていたが、授業内容には応用分野は多く含むものの、基礎的な理論を構成する部分が少ないため、DSやAIのベースとなる統計学、確率システムをベースとした状態推定、ニューラルネットワークを利用した深層学習やクラスタリングなどのパターン学習などの基礎的技術の観点からも、網羅する内容を検討することとし、実際に教材として必要な機能を選別している。 具体的には、状態推定に関わる技術とパターン認識やラスタリングに必要となる技術を機能として洗い出し、利用者の専門分野での利用例として実装することを予定しているが、現在は、強化学習や状態推定に必要となる基礎的統計処理の抽出と、ベイズ統計を代表とする現代的な統計処理の利用を通して実装する状態遷移モデルと、状態遷移モデルが持つ不確実性を表現するための方法および、そのデータの平滑化を行うためのフィルタリングを表現するための方法をどのように表現すべきか検討している。 ○表計算に実装する方法としては、サンプルデータと関数を利用したシートの作成か、あるいは、関数の実装(プログラム)とフォーム(ウィンドウ)などからの操作を前提としたプログラムの利用によるフォームなどのユーザインタフェースを伴うプログラムを検討しているが、利用者への学習効果や教材としての利用しやすさ、計算の自由度などを検討し、後者で開発を進める予定とした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記区分の原因としていくつか考えられる。 ○現状で行っているDSやAIに関わる授業から、関連した応用例を取り出して、そこに現れるDSやAIあるいは、その根底にある情報処理や、統計学などの数学に関わる基礎的な論理や技術を選別することとしていたが、当初想定していた以上に各学部(専門分野)での応用に関するすそ野が広く、また、ベースとなる数学や情報処理に関わる技術が多岐にわたるため、実際に教材として実装するための技術や応用例の選別とそれらを非理工系の学生に教材として提供する場合の内容の選定に時間がかかりすぎており、これが全体の進捗に影響している。 ○上述のような必要と思われる技術や応用例に関して、どちらかというと高校在学時も理数系科目に苦手意識のある学生に対する教材を検討する場合に、一般的によく知られる例題や解説に基づく機能などの実装やそれをベースとした教材が果たして学習意欲の向上などにつながるか、あるいは学生の興味を引くための技術の応用はどういったことかを検討することにより、想定していたよりも多くの時間を費やしてしまっている。 ○授業および委員会活動など大学での業務に思った以上に時間を割いてしまい、研究への着手が遅れてしまい、研究の開始までに時間がかかった。
|
今後の研究の推進方策 |
予定していた内容では、2年目は教材の開発と応用分野の開拓であるが、上記のように現段階では、まだ、機械学習やクラスタリング・状態遷移など技術のうち、今回の研究で開発する予定の教材の対象となる技術や論理が洗い出せていない状態であり、本年度も引き続き(早急に)これらの技術や論理の選定を行う予定である。 但し、申請時に提出した研究計画同様の段取りで進めると、すでに発生している研究の遅れを取り戻すことは難しいと考えるため、前述のように利用する技術や理論の選出を進めながら、同時に実際に開発すべきプログラムの形態などの検討も進めていきたいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
申請時の備品仕様と同等の性能を持つ機器の購入を行ったところ、予定機器がモデルチェンジされたこともあり、再度機器選定を行った結果、若干であるが予定額を下回った(端数が生じた)ため生じた。次年度の物品費または旅費として使用する予定である。
|