研究課題/領域番号 |
22K02940
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
山本 利一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (80334142)
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研究分担者 |
荻窪 光慈 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00431726) [辞退]
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 海流発電 / 再生可能エネルギー / 中学校技術・家庭科 / 技術分野 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
本研究は,近年,緊迫しつつある日本・世界のエネルギー情勢や環境問題を題材に,発達段階に応じた理解を促しながら,科学的に思考・判断し,それらを評価・活用する力を育成する教育プログラムを開発することを目的とする。 これらを具現化するために,我が国において大きな役割を果たすことが求められている再生可能エネルギー技術の現状と課題を,体験的に学習する装置(教材・教具)を開発すると共に指導方法を検討し,SDGsの観点のもと積極的に持続可能な社会を構築しようとする児童・生徒の育成を目指す。本研究では,資源の少ない我が国が世界第6位の排他的経済水域を有する海洋エネルギーに着眼し,日本沿岸を流れる世界的にも有数の強い海流"黒潮" を利用した海流発電を通して,再生可能エネルギーの導入の必要性や技術的課題などを,発達段階に応じて科学的に認識させ,技術を適切に評価・活用する能力を身につけさせることを目指している。 2023年度の実績は,海流発電(再生可能エネルギー)の最新技術を体験的に学習する実験装置(教材・教具)を活用して,公立中学校複数校(埼玉大学教育学部附属中学校,埼玉県立伊奈学園中学校,他),公立高等学校1校での授業実践を進めることができた。これらの実践研究を通して,装置,カリキュラムの検証を行い,論文投稿を行い,採択できたことが,大変意義深いと考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
所期の目的であった 海流発電(再生可能エネルギー)の最新技術を体験的に学習する実験装置(教材・教具)を活用した授業実践を,高等学校,中学校で実施することができた。 また,それらの研究成果を,日本産業技術教育学会,日本工業技術教育学会などで,提案することができた。更にそれらが,ジャーナルとして学会誌に掲載された。これらがその評価の理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,これまでの成果をブラッシュアップし,発達段階に応じたカリキュラムのモデル化を行い,都道府県の教員研究等で活用したい。それらの成果を専門の学会,国際会議で提案したいと考えている。 また,海流発電の応用とされている,潮流発電など再生可能エネルギーを更に多面的に学習する装置や,カリキュラムを構想したい。それらを元に,次期の科研費獲得の準備をしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
到達方法の工夫などにより、当初計画より経費の節約ができたためである。そこで,2024年度は,研究成果の公開と普及啓発活動を更に進める予定である。具体的には,日本産業技術教育学会,日本機械学会,日本工業技術教育学会等での発表を行うと共に,都道府県の教育センター,教育研究所などで,教員研修を実施医する予定である。 また,知的財産権を獲得した装置の改良として,特にタービンを複数設計,製作すると共に,それらの性能試験を実施したと考えている。装置の改良は,発電機にも着目して,予算の許す範囲で,新たな実験をスタートされてたい。 さらに,これらを活用した教育実践においても,小学校,中学校,高等学校における,指導内容を構想し,実践を試みたいと考える。これらは,九州地区として,熊本市や大分市などの再生可能エネルギー事業と関連させて授業を展開したい。また,北海道地区の札幌など都市部と帯広地区や,釧路地区,根室地区などの農村部における再生可能エネルギー事業とも連携した取り組みを実施したいと考えている。
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