• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

動的幾何を用いた遠隔協調学習システムの開発と操作・対話ログを用いたアナリティクス

研究課題

研究課題/領域番号 22K02951
研究機関東邦大学

研究代表者

野田 健夫  東邦大学, 理学部, 教授 (90431618)

研究分担者 江木 啓訓  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30422504)
金子 真隆  東邦大学, 薬学部, 教授 (90311000)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード遠隔協調学習 / 協調学習 / 操作ログ分析 / 対話ログ / 動的幾何
研究実績の概要

本研究のテーマは遠隔協調学習であり、その目的はオンラインでひとつの動的コンテンツに複数の学習者が同時にアクセスして操作し、共同して数理科学の探究学習を進められると同時に、その操作ログを手軽に取得できるシステムを構築すること、および操作ログと対話記録から個別学習と協調学習との特徴的な差異がないか検証することである。昨年度はオンラインでCindyJSによる1つの動的幾何コンテンツに複数のユーザが同時にアクセスし、その操作ログを記録するシステムの構築をし、試行的な実験を行った。ログデータの解析を進める上でマルチモーダルなデータ分析が必要であることが分かり、本年度は遠隔ではなく対面での協調学習を再検討し、操作ログ・対話ログに加えて深度センサーで体動ログも取得し、それらの連関から学習者の思考過程の変遷を特徴づけることを試みた。具体的には、学習者の作業スペース内に配置するタブレット・記述用紙の配置をもとに、学習者の頭上に設置した深度センサーを用いて、手指の位置がそれらの領域をどのように往来するかという時間遷移のログを取得し、その状況を調べることによって、学習の進捗状況をある程度把握できる可能性が示唆された。特に、タブレット領域における操作、数式表現の指差し動作、記述用紙における思考過程の記述動作との間の遷移が適切に行われていると、操作状況の観察結果と数式表現からくる情報との対照が適切に行われている可能性が高くなり、思考の進展が発生する確率が高くなると考えられることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本課題の最終的な目的はオンラインでの協調学習ではあるが、学生を被験者とした実験を効率的に行うために実験手法と分析手法の確立が必要と考え、今年度は対面での協調学習の実験を主に実施してきた。その際に、新たに体動データも取得したため、協調学習に対する一定の知見は得られてきているが、分析には多くの時間を要している。

今後の研究の推進方策

体動ログの取得・分析は今後実験を重ねることにより改善の余地があると考えている。これまでに得られたデータの分量が多くなっているため、分析を進めて学会で研究発表し、関連分野の研究者の意見を徴するなどして研究手法を洗練していきたい。

次年度使用額が生じた理由

国際会議のオンライン化や、いくつかの国際会議が国内で開催されたことに伴い、出張旅費を持ち越した。2024年度は得られた成果を発表するために出張を予定しており、請求額を予定通り使用できる見込みである。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] The multimodal analysis of learners’ mathematical proof activity in a CSCL environment2024

    • 著者名/発表者名
      Masataka Kaneko, Hironori Egi, Takuya Kitamoto, Takeo Noda
    • 雑誌名

      Proceedings of ISLS2024

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An Approach of Multimodal Learning Analytics based on the Distance between Learners’ Heads during Collaborative Learning2024

    • 著者名/発表者名
      Sei Yamamoto, Ryo Funabashi, Takeo Noda, Masataka Kaneko, Hironori Egi
    • 雑誌名

      Companion Proceedings of LAK24

      巻: - ページ: 94-96

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The learning constructs of inquiry-based mathematics learning represented in the log data of manipulating dynamic content2024

    • 著者名/発表者名
      Takeo Noda, Takahiro Nakahara, Masataka Kaneko
    • 雑誌名

      Proceedings of MathUI2023 (To appear in CEUR-WS)

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Multimodal analysis of learners’ communications in CSCL of a mathematical proof2023

    • 著者名/発表者名
      Masataka Kaneko, Hironori Egi, Takeo Noda
    • 雑誌名

      Proceedings of ICCE2023

      巻: - ページ: 206-208

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 独立性の検定に関するHTMLをベースとした教材を用いたシミュレーション学習における授業設計の影響の分析2023

    • 著者名/発表者名
      金子真隆, 北本卓也, 野田健夫
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録

      巻: 2273 ページ: 41-52

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 母平均の差の検定に関するシミュレーション学習を可能とするHTMLをベースとした教材の作成と改良2023

    • 著者名/発表者名
      北本卓也, 金子真隆, 野田健夫
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録

      巻: 2273 ページ: 58-69

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 独立性の検定に関するHTMLをベースとした教材の操作ログの解析2023

    • 著者名/発表者名
      金子真隆, 北本卓也, 野田健夫
    • 雑誌名

      京都大学数理解析研究所講究録

      巻: 2255 ページ: 14-25

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 数理統計に関するタブレットを用いた協調学習の マルチモーダルな分析2024

    • 著者名/発表者名
      金子真隆, 江木啓訓, 舟橋涼, 北本卓也, 野田健夫
    • 学会等名
      日本教育工学会2024年春季全国大会
  • [学会発表] 身体動作と発話の可視化に基づく協調学習の分析2024

    • 著者名/発表者名
      舟橋涼, 山本星, 野田健夫, 金子真隆, 江木啓訓
    • 学会等名
      日本教育工学会2024年春季全国大会
  • [学会発表] 頭部間距離の可視化に基づくペア活動の状況推定2024

    • 著者名/発表者名
      山本星, 舟橋涼, 野田健夫, 金子真隆, 江木啓訓
    • 学会等名
      情報処理学会第121回コラボレーションとネットワークサービス研究会
  • [学会発表] ペア活動における身体動作と発話の計測に基づくインタラクションの可視化2024

    • 著者名/発表者名
      舟橋涼, 山本星, 野田健夫, 金子真隆, 江木啓訓
    • 学会等名
      情報処理学会第121回コラボレーションとネットワークサービス研究会
  • [学会発表] 数学の証明に関するタブレットを用いた協調学習における学習者の手の動きと学習の進捗との対照2023

    • 著者名/発表者名
      金子真隆, 江木啓訓, 舟橋涼, 山本星, 野田健夫
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年秋季全国大会
  • [学会発表] HTMLベースのコンテンツによる数学協調学習のテキストマイニングに基づく分析2023

    • 著者名/発表者名
      野田健夫, 北本卓也, 江木啓訓, 金子真隆
    • 学会等名
      日本科学教育学会第47回年会
  • [学会発表] 協調学習における身体動作計測と発話分析を統合した可視化手法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      舟橋涼, 山本星, 野田健夫, 金子真隆, 江木啓訓
    • 学会等名
      日本教育工学会2023年秋季全国大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi