研究課題/領域番号 |
22K02973
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
野内 頼一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00741696)
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研究分担者 |
伊藤 克治 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10284449)
後藤 顕一 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (50549368)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 高校 / 化学 / 探究 / 単元の指導計画 / 学習プログラム / 評価 |
研究実績の概要 |
新学習指導要領においては,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が求められている。そこで,生徒が主体的に授業に取り組めるような力を育成する授業を単元の中に効果的に位置付けることを通して,目指す資質・能力の育成を図ることを目的として授業を構想し実践を積み重ねた。 北海道A高等学校の実践では,化学反応の量的関係を考察する際に中学校の学びでは質量で考えるが,高等学校では粒子の数に着目し物質量という新しい概念が必要になってくることに生徒が気付くような単元の指導計画を構想した。粒子概念の構築は,探究的な活動を通して,単元の指導計画の中に繰り返し位置付けることが大切である。茨城県立B高等学校の実践では,1%の塩酸,硝酸,水酸化ナトリウムを使用して,それぞれ同体積の酸と塩基を混合するとBTB溶液の色の変化はどうなるかを予想させ実験結果を考察させる探究活動を行った。予想外の結果から,質量と粒子の数の視点の違いに気付き、粒子の視点をもつようになることで視点の転換を図ることができたと考えられる。青森県立C高等学校の実践では,年間を通して水に着目した内容で単元の指導計画を構想することで,生徒が化学を学ぶ有用性を実感するような授業を構成して実践した。佐賀県立D高等学校の実践では,無機物質の単元の指導計画を作成する際に,①定性から定量へ②具体から抽象へ③総論から各論へを意識しながら単元の指導計画を構想して実践した。 様々な実践を積み重ねる中で,単元の指導計画を作成するために必要な要素は何かを明らかにして,汎用性のある視点を抽出したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
相互に授業を参観するなど,現地への訪問調査を実施し研究協議を行い,実践の中から優れた要因を抽出して単元の指導計画及び評価方法の試案に生かすような取組がコロナ感染予防の影響により十分にできていない状況であるが,月に1~2回程度のズーム会議を定期的に開催し,計画と実践について議論を積み重ねてきたことにより,単元の指導計画の具体例をいくつか示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
相互に授業を見学するなど,現地への訪問調査を実施して研究協議を行い,実践の中から優れた要因を抽出して単元の指導計画及び評価方法の試案に生かすとともに,授業研究委員会において議論を積み重ね,その成果を理科教育学会等で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染予防の影響により,授業参観が十分に実施出来ていない状況であり,次年度以降に授業参観を積極的に組み込む予定である。
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