研究課題/領域番号 |
22K03002
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
柳本 朋子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70159771)
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研究分担者 |
東尾 晃世 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10804908)
岩瀬 謙一 大阪電気通信大学, 共通教育機構, 准教授 (70827906)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 空間認識力 / 結び目 / 効果検証 / カリキュラム / 小中学生 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、空間認識力育成をめざして、結び目を題材とした教材開発を行い、その効果検証を行うこと、また、それをもとに小学校低学年段階から中学校段階までの結び目教材によるカリキュラム構築を図ることである。 令和4年度は研究の初年度にあたるため、研究の基礎として以下の3点から取り組み始めた。①結び目教材で育成が期待できる空間認識力を具体的に同定するための資料収集を行なう、②空間認識力育成に関連する小学校低・中・高学年および中学校段階での結び目の教材を選定すること、③効果検証のための評価問題を検討すること。 ①では、算数・数学科における図形教育、図学、心理学における空間認識について文献収集を行った。②では、小学生を対象に、様々な視点から見た結び目の観察とその図表現を中心とした結び目教材を用いて行った教育実践をもとに、児童の図表現の分析を行った。また、児童が結び目という空間図形を捉えるために、どのような点に着目したかを、児童の「振り返り」から分析した。さらに、中学生を対象に、すでに行われた結び目教材による実践をもとに、さらに発展させるための授業計画を立案した。③では、結び目教材の有効性を検証するための評価問題策定にむけて、先行研究の分析を行った。また、それをもとに、一つの評価問題を作成し、小学生を対象に予備調査を行った。その結果、難易度があまり適切でなかったため対象児童間でそれほど差異が見られず、今後改良の余地があることがわかった。 今年度の研究活動を次年度も継続し、その成果をまとめ学会などで発表していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校における授業実践の分析、中学校における授業計画の立案を行うことができた。また、図学や心理学などの他分野からの空間認識のとらえ方、算数・数学科の図形教育における空間認識などの情報を収集することができ、それをもとに、結び目教材で育成が期待される空間認識を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は今までの研究をさらに発展させることにより、結び目教材によって育成が期待される空間認識力をさらに明確にして、教材開発、事業実践、効果検証を行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に、イギリスの数学教育研究会での活動予定が入ったため、その時の旅費として活用するために、今年度は消耗品や備品の購入をできるだけ控えた。
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