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2023 年度 実施状況報告書

減数分裂から有性生殖のしくみを考える観察教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K03004
研究機関愛媛大学

研究代表者

中村 依子  愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60435667)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードメダカ / 有性生殖 / 減数分裂
研究実績の概要

高等学校学習指導要領解説 理科編 理数編では, 「交配実験の結果などの資料に基づいて, 有性生殖によって遺伝子の多様な組合せが生じることを見いだして理解させることがねらいである。」とされている。しかし, 昆虫以外の, 脊椎動物を材料とした減数分裂の教材は少なく, 動物で減数分裂時の染色体の動きの特徴が捉えられる観察教材が必要である。本研究では, メダカの減数分裂の全過程と染色体を可視化することにより, 有性生殖による配偶子の多様性に関する教材を開発することを目的とする。
本年度は, メダカの孵化直後から幼魚の時期までの, 卵巣内の卵母細胞の減数分裂の全過程を観察するため, 雌の稚仔魚や幼魚の組織切片標本の作製方法を確立した。稚仔魚において, 減数第一分裂前期の細糸期(レプトテン期), 合糸期(ザイゴデン期), 厚糸期(パキテン期), 複糸期(ディプロテン期)が識別可能になった。稚仔魚の成長に伴う初期の卵巣内の減数第一分裂前期が出現する過程を観察できた。これにより, 減数分裂の各ステージをより詳細に観察することが可能な組織切片標本を作製できると考えられる。卵巣の組織切片標本だけでなく, 胚や精巣・卵巣の懸濁液を用いて, ギムザ染色による方法を検討し, 減数分裂の各ステージを観察した。また, 卵巣の組織切片や雌の仔魚を用いてDNAを染色し, 蛍光顕微鏡や共焦点顕微鏡を用いた染色体の観察方法を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画に従って, メダカの稚仔魚から幼魚の卵巣内の卵母細胞の減数分裂の全過程が分かる標本を作製するため, 雌の卵巣の組織切片標本を作製し, 卵母細胞の発達段階を細胞学的に観察した。減数第一分裂前期の各ステージ(レプトテン期, ザイゴデン期, パキテン期, ディプロテン期)が識別できる組織切片を作製できたことにより, 卵母細胞の減数分裂が進行する様子をより詳細に観察することができた。

今後の研究の推進方策

メダカの雌の稚仔魚の卵巣の組織切片をDNA染色し, 卵母細胞の減数分裂の全過程が形態的に観て分かるような標本の作製方法を検討する。また, 組織切片をDNA染色と免疫組織化学染色の二重染色ををして, 染色体の形態の変化がより分かるような標本を作製する。

次年度使用額が生じた理由

次年度は, 卵巣の凍結組織切片を作製して, 対合した染色体を結びつける蛋白質等に対する抗体を用いた免疫組織化学染色により多くの経費が掛かると見込まれたため, 次年度の経費の支出を抑えた。次年度は, メダカの仔稚魚の雌の組織切片を作製し, HE染色およびDNA染色をして卵母細胞の減数分裂が進行する様子を観察し明らかにするとともに、減数分裂の過程で染色体の動向が分かるような, 染色体のDNAと蛋白質を二重染色した標本を作製する。

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公開日: 2024-12-25  

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